造血系起源の腫瘍の治療のための組成物と方法
专利摘要:
本発明は、哺乳動物の造血性腫瘍の治療のために有用な組成物と、同用途のためにその組成物を使用する方法に関するものである。 公开号:JP2011515069A 申请号:JP2010545049 申请日:2009-01-13 公开日:2011-05-19 发明作者:ダン,;エル. イートン,;アレン,;ジュニア エベンズ,;クリスティ エルキンス,;クレイグ クローリー,;ビン ジェン,;ジャガス,;レッディ ジュニュチュラ,;ヴィクトリア スミス,;フレデリック,;ジェイ. デソーヴェージ,;リチャード,;エル. バンドレン,;アンドリュー ポルソン,;ジョ−アン,;エス. ホンゴ,;サラジェーン ロス, 申请人:ジェネンテック, インコーポレイテッド; IPC主号:C12N15-09
专利说明:
[0001] 本発明は、哺乳動物における造血性腫瘍の治療に有用な物質の組成物と、同用途のために該物質の組成物を使用する方法に関する。] 背景技術 [0002] 悪性腫瘍(癌)は、米国において心臓疾患に続き第2の主要な死亡原因である(Boring等, CA Cancel J. Clin. 43:7(1993))。癌は、正常な組織から誘導されて腫瘍塊を形成する異常な又は腫瘍形成性の細胞の数の増加、これらの腫瘍形成性腫瘍細胞による隣接組織の侵襲、及び最終的に血液やリンパ系を介して局所のリンパ節や遠くの部位に転移と呼ばれる過程を介して広がる悪性細胞の生成を特徴とする。癌性状態においては、正常細胞が成長しない条件下で細胞が増殖する。癌自体は、異なる侵襲及び攻撃性の程度で特徴付けられる広範な種々の形態で顕現する。 血球新生、すなわちリンパ球、白血球、血小板、赤血球及びナチュラルキラー細胞等の血液の細胞要素が産生されるプロセスの間に産生される細胞に関与する癌を造血性癌と呼ぶ。血液及びリンパ組織中に見られるリンパ球は免疫応答に重要であり、2つの主要なリンパ球の種類に分類される。すなわち、Bリンパ球(B細胞)及びTリンパ球(T細胞)であり、これらはそれぞれ、体液性免疫と、細胞媒介性免疫を媒介する。 B細胞は骨髄中において成熟し、その細胞表面に抗原結合性抗体を発現して骨髄を出る。ナイーブなB細胞は、その膜結合性抗体が特異的に結合する抗原に初めて遭遇すると、急速に分裂を始め、その子孫は記憶B細胞及び「プラズマ細胞」と呼ばれるエフェクター細胞に分化する。記憶B細胞の寿命は長く、元の親細胞と同じ特異性を持つ膜結合性抗体を発現し続ける。プラズマ細胞は膜結合性抗体を産生しないが、代わりに分泌可能な形態の抗体を産生する。分泌された抗体は、体液性免疫の主要なエフェクター分子である。 T細胞は、未成熟T細胞の増殖及び分化の環境となる胸腺の中で成熟する。T細胞が成熟する間に、T細胞では、T細胞レセプターを産生する遺伝子の再構成と、成熟T細胞の細胞表面における表現型を決定する助けとなるポジティブ及びネガティブ選択が行われる。成熟T細胞の特徴的な細胞表面マーカーは、CD3:T細胞レセプター複合体及びコアレセプターのCD4又はCD8の一方である。] [0003] 癌の治療に効果的な細胞標的を発見する試みでは、研究者達は、一又は複数の正常な非癌牲細胞と比較し、一又は複数の特定の型の癌細胞の表面に特に発現する膜貫通又はさもなければ膜結合型のポリペプチドの同定を探求してきた。しばしば、このような膜結合ポリペプチドは非癌性細胞の表面と比べて癌細胞の表面により豊富に発現される。このような腫瘍関連細胞表面抗原ポリペプチドの同定は、抗体ベースの治療を介する癌細胞を標的として特異的に破壊する能力を生み出す。この点、抗体ベースの治療が、ある種の癌の治療において非常に効果的であることが証明されていることが留意される。例えば、ハーセプチン(登録商標)及びリツキサン(登録商標)(双方共にジェネンテック社, サウスサンフランシスコ,カリフォルニア)は、それぞれ乳癌及び非ホジキンリンパ腫を治療するのに成功裏に用いられている抗体である。より具体的には、ハーセプチン(登録商標)は、ヒト上皮成長因子レセプター2(HER2)プロト-オンコジーンの細胞外ドメインに選択的に結合する組換えDNA誘導ヒト化モノクローナル抗体である。HER2タンパク質の過剰発現は、25−30%の原発性乳癌に観察される。リツキサン(登録商標)は、正常及び悪性Bリンパ球の表面に見出されるCD20抗原に対する遺伝子操作キメラマウス/ヒトモノクローナル抗体である。これら抗体の双方共、CHO細胞中で組換え操作によって産生される。 癌の治療に効果的な細胞標的を発見する他の試みでは、研究者達は、(1)非癌性正常細胞の一又は複数の特定の型による場合と比較して癌細胞の一又は複数の特定の型によって特異的に産生される非膜結合ポリペプチド、(2)一又は複数の正常な非癌性細胞のものより有意に高い発現レベルで癌細胞により産生されるポリペプチド、又は(3)癌性及び非癌性状態の双方(例えば正常な前立腺及び前立腺腫瘍組織)においてその発現が一つの組織型(あるいは非常に制限された数の異なった細胞型)のみに特異的に限られているポリペプチドを探求してきた。このようなポリペプチドは癌細胞によって分泌されるか又は細胞内に残ったままでありうる。更に、このようなポリペプチドは、癌細胞自体ではなく、癌細胞に増強又は成長亢進効果を有するポリペプチドを産生及び/又は分泌する細胞によってむしろ発現されうる。そのような分泌ポリペプチドは、しばしば正常細胞を超える成長有利性を癌細胞に与えるタンパク質であり、例えば血管形成因子、細胞付着因子、成長因子等の物を含む。このような非膜結合ポリペプチドのアンタゴニストの同定は、このような癌の治療のための効果的な治療剤となることが期待される。更に、このようなポリペプチドの発現パターンの同定は、哺乳動物における特定の癌の診断に役立つであろう。 哺乳動物の癌治療は上記のような進歩を見ているが、それぞれ哺乳動物における腫瘍の存在を検出することができ、腫瘍性の細胞成長を有効に抑制するためのさらなる治療薬に対する需要は依然大きい。従って、本発明の目的は、ポリペプチド、細胞膜関連ポリペプチド、単一(又は限定された数の)組織型に発現が限定された分泌ポリペプチド又は細胞内ポリペプチド、造血組織を、癌性及び非癌性状態の双方において同定し、それらポリペプチドとそれらのコード化核酸を使用して哺乳動物の造血性癌の治療的処置に有用な組成物を生成することである。] [0004] CD79は、CD79a(Ig、mb-1)及びCD79b(Ig、B29)を含有する共有結合性ヘテロ二量体からなるB細胞レセプターのシグナル伝達構成成分である。CD79a及びCD79bは、各々細胞外イムノグロブリン(Ig)ドメイン、膜貫通領域及び細胞内シグナル伝達ドメイン、イムノレセプターチロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)ドメインを含有する。CD79はB細胞上及び非ホジキンリンパ腫細胞(NHL)において発現される(Cabezudo et al., Haematologica, 84:413-418 (1999);D'Arena et al., Am. J. Hematol., 64: 275-281 (2000);Olejniczak et al., Immunol. Invest., 35: 93-114 (2006))。CD79a及びCD79b及びsIgのすべては、CD79の表面発現に必要である(Matsuuchi et al., Curr. Opin. Immunol., 13(3): 270-7)(2001))。NHL上のCD79bの平均表面発現は、正常なB細胞上の平均表面発現と同程度であるが、範囲は広い。] [0005] 従って、特に慢性的な治療のために患者に投与した際に抗原性が最小であるか又は全くないCD79a及びCD79b抗原に対する治療的抗体を製造することが有益である。本発明はこれ及び他の必要を満たすものである。本発明は、現在の治療的組成物の制限を克服する抗CD79a及び抗CD79b抗体を提供し、並びに以下の詳細な説明から明白となる更なる利点を示す。 細胞障害性又は細胞分裂停止性の薬剤、つまり、癌の治療において腫瘍細胞を殺す又は阻害するための薬剤の局所運搬のために抗体−薬剤コンジュゲート(ADC)を使う(Lambert, J. (2005) Curr. Opinion in Pharmacology 5:543-549;Wu et al (2005) Nature Biotechnology 23(9): 1137-1146;Payne, G. (2003) Cancer Cell 3:207-212;Syrigos and Epenetos (1999) Anticancer Research 19:605-614;Niculescu-Duvaz and Springer (1997) Adv. Drug Del. Rev. 26: 151-172;米国特許第4975278号)と、薬剤成分を腫瘍へ目的通りに運搬して、そこで細胞内蓄積させることが可能となる。コンジュゲートさせていない薬剤を全身投与すると、排除しようとする腫瘍細胞だけでなく正常な細胞に許容されないレベルの毒性が生じうる(Baldwin et al (1986) Lancet pp. (Mar. 15, 1986): 603-05;Thorpe, (1985) "Antibody Carriers Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review", Monoclonal Antibodies '84: Biological And Clinical Applications, A. Pinchera et al (ed.s), pp. 475-506)。治療的インデックス、つまりADCの最大の効率及び最小の毒性を改善するための努力は、ポリクローナル抗体(Rowland et al (1986) Cancer Immunol. Immunother., 21:183-87)及びモノクローナル抗体(mAb)の選択、並びに薬剤結合及び薬剤放出性質(Lambert, J. (2005) Curr. Opinion in Pharmacology 5:543-549)に集中していた。抗体薬剤コンジュゲートに用いられる薬剤成分には、ジフテリア毒素などの細菌性タンパク質毒素、リシンなどの植物タンパク質毒素、アウリスタチン、ゲルダナマイシン(Mandler et al (2000) J. of the Nat. Cancer Inst. 92(19): 1573-1581;Mandler et al (2000) Bioorganic and; Med. Chem. Letters 10:1025-1028;Mandler et al (2002) Bioconjugate Chem. 13:786-791)、メイタンシノイド(欧州特許第1391213号;Liu et al (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:8618-8623)、カリケアマイシン(Lode et al (1998) Cancer Res. 58: 2928;Hinman et al (1993) Cancer Res. 53: 3336-3342)、ダウノマイシン、ドキソルビシン、及びビンデシン(上掲のRowland et al (1986))などの小分子毒素が含まれる。薬剤成分は、チューブリン結合、DNA結合又はトポイソメラーゼ阻害などの細胞障害性及び細胞分裂停止性の機能に影響しうる。ある種の細胞障害性剤は、大きな抗体又はタンパク質レセプターリガンドにコンジュゲートした場合に、不活性又は活性が低減する傾向がある。] [0006] アウリスタチンペプチドである、アウリスタチンE(AE)とドラスタチンの合成類似体であるモノメチルアウリスタチン(MMAE)(国際公開02/088172)は、(i)キメラモノクローナル抗体cBR96(カルチノーマ上のルイスYに特異的)、(ii)血液系悪性腫瘍上のCD30に特異的であるcAC10(Klussman, et al (2004), Bioconjugate Chemistry 15(4): 765-773;Doronina et al (2003) Nature Biotechnology 21(7): 778-784;Francisco et al (2003) Blood 102(4): 1458-1465;米国公開特許2004/0018194)、(iii) CD20発現癌及び免疫不全の治療のためのリツキサンなどの抗CD20抗体(国際公開04/032828)、(iv)結腸直腸癌の治療のための抗EphB2抗体2H9(Mao et al (2004) Cancer Research 64(3): 781-788)、(v) Eセレクチン抗体(Bhaskar et al (2003) Cancer Res. 63: 6387-6394)、(vi)トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標)、米国公開特許2005/0238649)、及び(vi)抗CD30抗体(国際公開03/043583)へ、薬剤成分としてコンジュゲートされていた。アウリスタチンEの変異体は、米国特許第5767237号及び米国特許第6124431号において開示される。モノクローナル抗体にコンジュゲートされるモノメチルアウリスタチンEは、2004年3月28日に発表されたSenter et al, Proceedings of the American Association for Cancer Research, Volume 45, Abstract Number 623において開示される。アウリスタチン類似体MMAE及びMMAFは、様々な抗体にコンジュゲートされている(米国公開特許2005/0238649)。] [0007] 抗体に薬剤成分を付着させる、すなわち共有結合により結合させる従来の手段では、一般的に、薬剤成分が抗体上の多くの部位で付着している分子の不均一な混合物となる。例えば、典型的に、細胞毒性薬剤は、抗体の時に多くのリジン残基を介して抗体にコンジュゲートされ、不均一な抗体薬剤コンジュゲート混合物を生じていた。反応条件に応じて、典型的に、不均一な混合物は、0からおよそ8又はそれ以上の薬剤成分が付着している抗体の分布を含む。さらに、抗体に対する薬剤成分をある整数比で有するコンジュゲートの各サブグループ内では、薬剤成分が抗体上の様々な部位で付着している潜在的に不均一な混合物である。分析方法及び調製方法は、コンジュゲート反応により生じる不均一な混合物内の抗体−薬剤コンジュゲート種分子を分離し特徴付けるために不十分でありうる。抗体は大きく、複雑で、構造的に多様な生体分子であり、反応性の官能基を多く有することが多い。リンカー試薬及び薬剤−リンカー中間生成物との反応性は、pH、濃度、塩濃度及び共存溶媒などの因子に依存している。さらに、複数の工程のコンジュゲート工程は、反応条件の調節や反応物と中間生成物の特徴付けが難しいため、再現性がないかもしれない。] [0008] システインチオールは、陽子が付加される多くのアミンとは異なり、中性pHで反応性であり、pH7付近ではほとんど求核性基でない。遊離チオール(RSH、スルフヒドリル)基は相対的に反応性であるので、システイン残基を有するタンパク質は、ジスルフィド結合オリゴマーとして酸化型で存在することが多いか、又は内部で架橋したジスルフィド基を有する。細胞外タンパク質は、一般に遊離チオールを有しない(Garman, 1997, Non-Radioactive Labelling: A Practical Approach, Academic Press, London, at page 55)。一般に、抗体システインチオール基は、求電子性のコンジュゲート試薬に対して、抗体アミンやヒドロキシ基よりも反応性が高い、すなわち求核性が高い。システイン残基は、リガンドへの共有的付着を形成させるため、ないしは新たに分子内ジスルフィド結合を形成させるために、遺伝学的操作技術によりタンパク質内に導入されていた(Better et al (1994) J. Biol. Chem. 13:9644-9650;Bernhard et al (1994) Bioconjugate Chem. 5:126-132;Greenwood et al (1994) Therapeutic Immunology 1:247-255;Tu et al (1999) Proc. Natl. Acad. Sci USA 96:4862-4867;Kanno et al (2000) J. of Biotechnology, 76:207-214;Chmura et al (2001) Proc. Nat. Acad. Sci. USA 98(15): 8480-8484;米国特許第6248564号)。しかしながら、タンパク質の様々なアミノ酸残基をシステインアミノ酸に変異させることによるシステインチオール基の操作は、対になっていない(遊離Cys)残基又は相対的に反応又は酸化に接触しやすいものの場合に特に問題となりやすい。大腸菌周辺質、培養物上清又は一部ないし完全に精製されたタンパク質内のタンパク質が濃縮された溶液では、タンパク質の表面上の対になっていないCys残基は対になり、酸化されて、分子内ジスルフィドを形成し、ゆえにタンパク質二量体又は多量体となることができる。ジスルフィド二量体形成は、新規のCysを、薬剤、リガンド又は他の標識へのコンジュゲートに対して非反応性にする。さらに、タンパク質が新たに操作されたCysと既存のCys残基との間で分子内ジスルフィド結合を酸化的に形成する場合、両Cysチオール基は活性部位関与にも相互作用にも利用されない。さらに、タンパク質は、三次構造の欠損又はミスホールドにより、不活性化ないしは非特異的になるかもしれない(Zhang et al (2002) Anal. Biochem. 311:1-9)。] [0009] システイン-改変抗体は、Fab抗体断片(チオFab)として設定され、完全長IgGモノクローナル(チオMab)抗体として発現されていた(Junutula, J.R. et al. (2008) J Immunol Methods332:41-52;米国特許公開2007/0092940、これらの内容は出典明記により援用される)。抗体薬剤コンジュゲート(ThioADC)を調節するために、ThioFab及びThioMab抗体は、チオール反応性リンカー試薬及び薬剤−リンカー試薬によって新たに導入されたシステインチオールでリンカーによりコンジュゲートされていた。 特許公報及び出版物を含む本明細書において引用されるすべての文献は、出典明記によってその全体が援用される。] [0010] 発明の概要 A.実施態様 本明細書において、本出願人は、特定の種類の細胞、例えばリンパ球、白血球、赤血球及び血小板等の血液新生段階において産生される細胞の、腫瘍細胞及び正常細胞の両方が特異的に発現する種々の細胞性ポリペプチド(及びそれらのコード核酸又はその断片)の同定について最初に記載する。ここで、上記のポリペプチドは全て、造血系起源腫瘍抗原(Tumor-Antigens of Hematopoietic Origin polypeptide)ポリペプチド(「TAHO」ポリペプチド)と呼ばれ、哺乳動物における癌治療の効果的な標的となることが予想される。 本発明は、抗CD79a及び抗CD79b抗体又はその機能化断片とその造血腫瘍の治療における使用法を提供する。 従って、本発明の一実施態様では、本発明は、造血系起源ポリペプチドの腫瘍抗原又はその断片(「TAHO」ポリペプチド)をコードするヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子を提供する。] [0011] ある態様では、単離された核酸分子は、(a)ここで開示されるアミノ酸配列を有する完全長TAHOポリペプチド、ここで開示されるシグナルペプチドを欠くTAHOポリペプチドアミノ酸配列、ここに開示される膜貫通TAHOポリペプチドの細胞外ドメインで、シグナルペプチドを含む又は含まないもの、又はここに開示される完全長TAHOポリペプチドアミノ酸配列の任意の他の具体的に定まった断片をコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。 他の態様では、単離された核酸分子は、(a)ここで開示される完全長TAHOポリペプチドcDNAのコード化配列、ここで開示されるシグナルペプチドを欠くTAHOポリペプチドのコード化配列、ここに開示される膜貫通TAHOポリペプチドの細胞外ドメインのシグナルペプチドを含む又は含まないコード化配列、又はここに開示される完全長TAHOポリペプチドアミノ酸配列の任意の他の具体的に定まった断片のコード化配列、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。] [0012] 更なる態様では、本発明は、(a)ここで開示されるATCCに寄託されたヒトタンパク質cDNAの何れかの完全長コード領域によってコードされる同じ成熟ポリペプチドをコードするDNA分子、又は(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子に関する。 本発明の他の態様は、膜貫通ドメイン欠損又は膜貫通ドメイン不活性化のいずれかである、又はそのようなコード化ヌクレオチド配列と相補的であるTAHOポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子を提供し、そのようなポリペプチドの膜貫通ドメインはここで開示されている。従って、ここに記載のTAHOポリペプチドの可溶性細胞外ドメインが考慮される。] [0013] 他の態様では、本発明は、(a)ここで開示される完全長アミノ酸配列を有するTAHOポリペプチド、ここで開示されるシグナルペプチドを欠くTAHOポリペプチドアミノ酸配列、ここに開示される膜貫通TAHOポリペプチドの細胞外ドメインで、シグナルペプチドを伴う又は伴わないもの、又はここで開示される完全長TAHOポリペプチドアミノ酸配列の任意の他の具体的に定まった断片をコードするヌクレオチド配列、又は(b)(a)のヌクレオチド配列の相補鎖とハイブリダイズする単離された核酸分子に関する。この点に関して、本発明の実施態様は、例えば、検出プローブ、アンチセンスオリゴヌクレオチドプローブとして有用なハイブリダイゼーションプローブとしての用途を見出し得る、ここに開示される、完全長TAHOポリペプチドコード化配列の断片、又はその相補鎖、又は抗TAHOポリペプチド抗体、TAHO結合オリゴペプチド又はTAHOポリペプチドに結合する他の小有機分子の結合部位を含むポリペプチドを任意にコードし得る完全長TAHOポリペプチドのコード化断片に関する。このような核酸断片は、通常は少なくとも約5のヌクレオチド長、あるいは少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、又は1000ヌクレオチド長であり、この文脈において「約」という用語は、表示ヌクレオチド配列長にその表示長の10%を加えるか又は減じたものを意味する。TAHOポリペプチドコード化ヌクレオチド配列の新規な断片は、よく知られた配列アラインメントプログラムの任意のものを使用してTAHOポリペプチドコード化ヌクレオチド配列を他の既知のヌクレオチド配列にアラインメントさせ、どのTAHOポリペプチドコード化ヌクレオチド配列断片が新規であるかを決定することによって、常套的に決定しうることが知られている。そのようなTAHOポリペプチドコード化ヌクレオチド配列の新規な断片の全てがここで考慮される。また考慮されるものは、これらのヌクレオチド分子断片によりコードされるTAHOポリペプチド断片、好ましくは抗TAHO抗体、TAHO結合オリゴペプチド又はTAHOポリペプチドに結合する他の小有機分子に対する結合部位を含んでなるTAHOポリペプチド断片である。] [0014] ある実施態様では、本発明は、ここに開示される完全長アミノ酸配列を有するTAHOポリペプチド、ここに開示されるシグナルペプチドを欠くTAHOポリペプチドアミノ酸配列、ここに開示されるシグナルペプチドを有するか又は有しない膜貫通TAHOポリペプチドタンパク質の細胞外ドメイン、ここに開示される核酸配列の任意のもの、又はここに開示される完全長TAHOポリペプチドアミノ酸配列でその他の具体的に定まった断片によってコードされているアミノ酸配列に対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたTAHOポリペプチドに関する。] [0015] 更なる態様では、本発明は、ここに開示されてATCCに寄託されたヒトタンパク質cDNAの何れかによりコードされるアミノ酸配列に対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む単離されたTAHOポリペプチドに関する。 特定の態様では、本発明は、N末端シグナル配列及び/又は開始メチオニンを持たない単離されたTAHOポリペプチドを提供し、それは上述したそのようなアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列によってコードされている。これを製造する方法もまたここに開示され、これらの方法には、TAHOポリペプチドの発現に適した条件下で適切なコード化核酸分子を含有するベクターを含む宿主細胞を培養し、細胞培養物からTAHOポリペプチドを回収することを含む。] [0016] 本発明の他の態様は、膜貫通ドメインが欠失したか又は膜貫通ドメインが不活性化している単離されたTAHOポリペプチドを提供する。これを製造する方法もまたここに開示され、これらの方法には、TAHOポリペプチドの発現に適した条件下で適切なコード化核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞を培養し、細胞培養物からTAHOポリペプチドを回収することを含む。 本発明の他の実施態様では、本発明は、ここで記載されているポリペプチドの何れかをコードするDNAを含むベクターを提供する。任意のそのようなベクターを含む宿主細胞も提供される。例を挙げると、宿主細胞はCHO細胞、大腸菌、又は酵母菌であり得る。ここに開示されているポリペプチドの何れかの製造方法がさらに提供され、所望するポリペプチドの発現に適切な条件下で宿主細胞を培養し、細胞培養物からその所望するポリペプチドを回収することを含んでなる。] [0017] 他の実施態様では、本発明は、異種(非-TAHO)ポリペプチドに融合した、ここに開示のTAHOポリペプチドの何れかを含む単離したキメラポリペプチドを提供する。そのようなキメラ分子の例は、例えば、エピトープタグ配列又は免疫グロブリンのFc領域等の異種ポリペプチドと融合したここに開示のTAHOポリペプチドの何れかを含む。 その他の実施態様では、本発明は、上記又は下記のポリペプチドの何れかと、好ましくは特異的に結合する抗体を提供する。場合によっては、その抗体はモノクローナル抗体、Fab、Fab’、F(ab’)2及びFv断片を含む抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体又は抗TAHOポリペプチド抗体がその各抗原性エピトープと結合するのを競合的に阻害する抗体である。本発明の抗体は、例えば、メイタンシノイド又はカリケアマイシンを含む毒素のような成長阻害剤又は細胞障害性剤、抗生物質、放射性同位体、核溶解性酵素等と場合によってはコンジュゲートし得る。本発明の抗体は、場合によってはCHO細胞又は細菌細胞で産生され、好ましくは、それが結合する細胞の死を誘導する。検出のために、本発明の抗体は、検出可能に標識されたり、固体支持体に付着されたりする。] [0018] 別の実施態様では、本発明は、抗TAHO抗体を提供し、ここで、そのような抗TAHO抗体が、ヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチドに結合し、ここで、このような抗TAHO抗体は、 (a)配列番号:97、99又は101から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン;及び/又は (b)配列番号:98、100又は102から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変ドメインを含む。] [0019] 別の実施態様では、本発明は、抗TAHO抗体を提供し、ここで、そのような抗TAHO抗体が、ヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチドに結合し、ここで、このような抗TAHO抗体は、 (a)配列番号:10、33又は41から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン;及び/又は (b)配列番号:12、35又は43から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変ドメインを含む。] [0020] 別の実施態様では、本発明は、抗TAHO抗体を提供し、ここで、そのような抗TAHO抗体が、ヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチドに結合し、ここで、このような抗TAHO抗体は、 (a)配列番号:4のアミノ酸29から39を含むアミノ酸配列; (b)配列番号:8のアミノ酸30から40を含むアミノ酸配列;又は (c)配列番号:13のアミノ酸29から39を含むアミノ酸配列; からなる群から選択されるヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のようなTAHOポリペプチドの領域中のエピトープに結合する。] [0021] 更なる実施態様では、本発明は、抗TAHO抗体を提供し、ここで、そのような抗TAHO抗体が、ヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチドに結合し、ここで、このような抗TAHO抗体は、エピトープに結合し、ここで、前記エピトープは、位置30、34及び36のアミノ酸がArgである配列番号:4のアミノ酸29から39を含む。更なる実施態様では、本発明は、抗TAHO抗体を提供し、ここで、そのような抗TAHO抗体が、ヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチドに結合し、ここで、このような抗TAHO抗体は、エピトープに結合し、ここで、前記エピトープは、位置35のアミノ酸がLeuである配列番号:8のアミノ酸29から39を含む。] [0022] 一態様では、本発明の抗体は、国際公開2006/034488;米国公開特許2007/0092940(本明細書において出典明記によって全体が援用される)に開示されるように、親抗体の一又は複数のアミノ酸が遊離したシステインアミノ酸に置換されるシステイン改変抗体を包含する。抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体の任意の形態が改変、すなわち変異されてもよい。例えば、親Fab抗体断片を改変して、本明細書中で「ThioFab」と称するシステイン改変Fabを形成してもよい。同様に、親のモノクローナル抗体を改変して、「ThioMab」を形成してもよい。単一の部位突然変異によりThioFabの単一の改変したシステイン残基が生じるのに対して、IgG抗体の二量体の性質のためにThioMabでは、単一の部位突然変異により2つの改変したシステイン残基が生じる。抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、本発明のシステイン改変抗TAHO抗体には、ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、細胞関連のTAHOポリペプチドを選択的に結合するモノクローナル抗体、ヒト化ないしはキメラのモノクローナル抗体、及び抗体の抗原結合断片、融合ポリペプチド及びアナログが含まれる。あるいは、システイン改変抗体は、必ずしも親抗体を変える必要はなく、例えばファージディスプレイ抗体の設定や選別によって、又は軽鎖及び/又は重鎖フレームワーク配列と定常領域のデノボ設定によって、抗体の配列設定及び/又は選別により生じる、抗体又はFabの本明細書において開示される位置にシステインを含む抗体を包含する。システイン改変抗体は、0.6〜1.0、0.7〜1.0又は0.8〜1.0の範囲のチオール反応値を有する一又は複数の遊離したシステインアミノ酸を含む。遊離したシステインアミノ酸は、親抗体内で改変されているシステイン残基であり、ジスルフィド架橋の一部でない。システイン改変抗体は、例えばマレイミド又はハロアセチルによる改変されたシステインの部位での、細胞障害性化合物及び/又は造影(イメージング)化合物の接着に有用である。Cys残基のチオール官能基のマレイミド基に対する求核反応性は、リジン残基のアミノ基又はN末端アミノ基などのタンパク質の任意の他のアミノ酸官能基の、およそ1000倍である。ヨードアセチル及びマレイミド試薬のチオール特異的官能基はアミン基と反応するが、より高いpH(>9.0)及びより長い反応時間が必要とされるであろう必要かもしれない(Garman, 1997, Non-Radioactive Labelling: A Practical Approach, Academic Press, London)。] [0023] ある態様では、本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体は以下のいずれか一の位置に改変したシステインを含み、この位置は、軽鎖ではカバット等(Kabat等 (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MDを参照)に従った、重鎖(Fc領域を含む)ではEU番号付け(上掲のKabat等 (1991)を参照)に従った数であり、図30A、31A、35A及び36Aの下線で示す軽鎖定常領域は位置109(カバット番号付け)で始まり、図30B、31B、35B及び36Bの下線で示す重鎖定常領域は位置118(EU番号付け)で始まる。また、位置は、図30−31及び49に示す完全長軽鎖ないしは重鎖のアミノ酸を順次番号付けする際にその位置で表されてもよい。本発明の一実施態様では、抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体は、LC-V205Cに改変されたシステインを含む(カバット番号:Val205、図27A及び49Aの順次番号209はその位置でCysになるように改変される)。軽鎖の改変されたシステインを図30A及び36Aにおいて太字の二重線で示す。一実施態様では、抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体は、HC-A118Cに改変されたシステインを含む(EU番号:Ala118;カバット番号114;図31B又は35Bの順次番号118はその位置でCysになるように改変される)。重鎖の改変されたシステインを31B又は35Bにおいて太字の二重線で示す。一実施態様では、抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体は、Fc-S400Cに改変されたシステインを含む(EU番号:Ser400;カバット番号396、31B又は35Bの順次番号400はその位置でCysになるように改変される)。他の実施態様では、重鎖(Fc領域を含む)の改変されたシステインは、以下の位置のいずれか一である(カバット番号付けに従い、EU番号付けは括弧内に示す)。5、23、84、112、114(118EU番号付け)、116(120EU番号付け)、278(282EU番号付け)、371(375EU番号付け)又は396(400EU番号付け)。したがって、本発明の抗ヒト79b(TAHO5)抗体のような、親キメラ抗TAHO抗体についてこれらの位置でのアミノ酸の変化は、Q5C、K23C、S84C、S112C、A114C(A118C EU番号付け)、T116C(T120C EU番号付け)、V278C(V282C EU番号付け)、S371C(S375C EU番号付け)又はS396C(S400C EU番号付け)である。したがって、本発明の親抗カニクイザルCD79b抗体(TAHO40)についてこれらの位置でのアミノ酸の変化は、Q5C、T23C、S84C、S112C、A114C(A118C EU番号付け)、T116C(T120C EU番号付け)、V278C(V282C EU番号付け)、S371C(S375C EU番号付け)又はS396C(S400C EU番号付け)である。他の実施態様では、軽鎖の改変されたシステインは、以下の何れか一である(カバット番号付けに従う)。15、110、114、121、127、168、205。したがって、本発明の親キメラ抗ヒト79b(TAHO5)抗体についてこれらの位置でのアミノ酸の変化は、L15C、V110C、S114C、S121C、S127C、S168C又はV205Cである。したがって、本発明の親抗カニクイザルCD79b抗体(TAHO40)についてこれらの位置でのアミノ酸の変化は、L15C、V110C、S114C、S121C、S127C、S168C又はV205Cである。] 図30 図30A 図30B 図31B [0024] 抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体は、一又は複数の遊離したシステインアミノ酸を含み、抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体がヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチドに結合するものであり、抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、親の抗TAHO抗体の一又は複数のアミノ酸残基をシステインに置換することを含む方法によって調製され、ここで、該親抗体が (a)配列番号:97、99又は101から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン;及び/又は (b)配列番号:98、100又は102から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変ドメイン を含む。] [0025] 抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体は、一又は複数の遊離したシステインアミノ酸を含み、抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体がヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチドに結合するものであり、抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、親の抗TAHO抗体の一又は複数のアミノ酸残基をシステインに置換することを含む方法によって調製され、ここで、該親抗体が (a)配列番号:10、33又は41から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変ドメイン;及び/又は (b)配列番号:12、35又は43から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変ドメイン を含む。] [0026] ある態様では、本発明は、本明細書において開示した完全長アミノ酸配列を有するシステイン改変抗体、又は本明細書において開示したシグナルペプチドを欠くシステイン改変抗体アミノ酸配列に対して、少なくともおよそ80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくともおよそ81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体に関する。] [0027] より更なる態様では、本発明は、(a) 本明細書に開示した完全長アミノ酸配列を有するシステイン改変抗体、(b) 本明細書に開示したシグナルペプチドを欠くシステイン改変抗体アミノ酸配列、(c) 本明細書に開示した、シグナルペプチドを持つ又は持たない、膜貫通型システイン改変抗体タンパク質の細胞外ドメイン、(d) 本明細書に開示したいずれかの核酸配列によってコードされるアミノ酸配列、又は(e) 本明細書に開示した完全長システイン改変抗体アミノ酸配列の任意の他の特異的に定義される断片、をコードするDNA分子の相補鎖にハイブリダイズするヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、単離された抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体に関する。 特定の態様では、本発明は、N末端シグナル配列を持たない及び/又は開始メチオニンを持たない単離された抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体を提供し、この抗体は本明細書中に記載のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列によってコードされる。本明細書中ではまた、前記抗体を産生する方法を記載しており、これらの方法は、システイン改変抗体の発現に適切な条件下で適切なコード化核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞を培養し、細胞培養物からシステイン改変抗体を回収することを含んでなる。] [0028] 本発明の他の態様では、膜貫通ドメインを削除するか膜貫通ドメインを不活性化してある単離された抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体を提供する。本明細書中ではまた、前記抗体を産生する方法を記載しており、これらの方法は、システイン改変抗体の発現に適切な条件下で適切なコード化核酸分子を含むベクターを含む宿主細胞を培養し、細胞培養物からシステイン改変抗体を回収することを含んでなる。 他の態様では、本発明は、異種性(非ヒトCD79b(TAHO5)又は非カニクイザルCD79b(TAHO40)のような、非TAHO)のポリペプチドに融合させた、本明細書中に記載したいずれかのシステイン改変抗体を含む、単離された抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体キメラシステイン改変抗体を提供する。このようなキメラ分子の例は、例えばエピトープタグ配列又はイムノグロブリンのFc領域などの異種性のポリペプチドに融合させた、本明細書中に記載したいずれかのシステイン改変抗体を含む。] [0029] 抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体は、それぞれの抗原エピトープへの抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)のような、抗TAHO抗体ポリペプチド抗体の結合を競合的に阻害するモノクローナル抗体、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体又は抗体であってもよい。本発明の抗体は場合によって、例えばアウリスタチン、メイタンシノイド、ドラスタチン誘導体又はカリケアマイシン、抗生物質、放射性同位体、核酸分解性の酵素などを含む毒素などの増殖阻害性剤ないしは細胞障害性剤にコンジュゲートさせてもよい。本発明の抗体は場合によって、CHO細胞又は細菌内で産生され、結合する細胞の成長ないし増殖を阻害するか、又は死を誘導することが好ましい。診断目的のために、本発明の抗体は、固体担体などに付着して検出可能に標識されてもよい。] [0030] システイン改変抗体は癌の治療において有用であり、細胞表面及び膜貫通型レセプター、及び腫瘍関連抗原(TAA)に特異的な抗体が含まれる。このような抗体は、ネイキッド抗体(薬剤又は標識成分にコンジュゲートしていない)として、あるいは抗体−薬剤コンジュゲート(ADC)として用いられてもよい。本発明のシステイン改変抗体は、チオール反応性の試薬と、部位特異的かつ効率的にカップリングしうる。チオール反応性の試薬は、多機能リンカー試薬、キャプチャ標識試薬、蛍光体試薬又は薬剤−リンカー中間生成物であってもよい。システイン改変抗体は、検出可能な標識により標識され、固相担体に固定され、及び/又は、薬剤成分とコンジュゲートされもよい。L10−L20、L105−L115、L109−L119、L116−L126、L122−L132、L163−L173、L200−L210のアミノ酸範囲から選択される軽鎖の範囲内、及びH1−H10、H18−H28、H79−H89、H107−H117、H109−H119、H111−H121のアミノ酸範囲から選択される重鎖の範囲内、及びH270−H280、H366−H376、H391−401から選択される範囲内のFc領域において、反応性のシステインアミノ酸によるアミノ酸の置換を持つ抗体に対してチオール反応が生じうる。このとき、アミノ酸位の番号付けはカバット番号付けシステム(Kabat等 (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD)の位置1から始め、その後は国際公開第2006034488号に開示されるように、順次続ける。また、チオール反応は、抗体の特定のドメイン、例えば軽鎖定常ドメイン(CL)及び重鎖定常ドメイン、CH1、CH2及びCH3に対して生じうる。0.6以上のチオール反応値となるシステイン置換は、インタクト抗体、つまりIgGサブクラスIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA及びIgA2を含むIgA、IgD、IgE、IgG及びIgMの重鎖定常ドメインα、δ、ε、γ及びμにあってもよい。このような抗体及びそれらの使用は、国際公開2006/034488;米国公開特許2007/0092940に開示される。] [0031] 本発明のシステイン改変抗体は、それらの野生型、親抗体相当物の抗原結合能を保持するのが好ましい。ゆえに、システイン改変抗体は、抗原へ結合することができる、好ましくは抗原に特異性がある。このような抗原には、例えば、腫瘍関連抗原(TAA)、細胞表面レセプタータンパク質及び他の細胞表面分子、膜貫通タンパク質、シグナル伝達タンパク質、細胞生存調節因子、細胞増殖調節因子、組織発達又は分化に関連する(例えば機能的に寄与することが公知であるか又は予測される)分子、リンホカイン、サイトカイン、細胞周期調節に伴う分子、脈管形成に伴う分子、及び血管新生に関連する(例えば機能的に寄与することが公知であるか又は予測される)分子が含まれる。腫瘍関連抗原はクラスター分化因子(すなわち、ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチドに限定されないCDタンパク質)であってもよい。本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体はその親の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体相当物の抗原結合能を保持する。ゆえに、本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、システイン改変抗TAHO抗体は、抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)のような、ヒト抗TAHOアイソフォームβ及び/又はαを含むヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、(B細胞に限らず細胞の表面上に抗原が発現される場合も含む)TAHO抗原に対して、結合、好ましくは特異的に結合することができる。] [0032] 一態様では、本発明の抗体は、反応性成分、活性化成分、又は反応性システインチオール基によって抗体に共有結合して付着されうる標識成分とコンジュゲートされてもよい(Singh等 (2002) Anal. Biochem. 304:147-15;Harlow E. and Lane, D. (1999) Using Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; Lundblad R.L. (1991) Chemical Reagents for Protein Modification, 2nd ed.CRCPress, Boca Raton,FL)。付着された標識は、(i) 検出可能なシグナルを提供する、(ii) 第二標識と反応して、例えばFRET(蛍光共鳴エネルギー転移)が生じるように第一又は第二標識によって生じる検出可能なシグナルを改変する、(iii)抗原又はリガンドとの相互作用を安定させるか又は結合の親和性を増加する、(iv)電荷、疎水性、形状又は他の物理学的なパラメータによって可動性、例えば電気泳動易動度又は細胞透過性に作用する、又は(v)キャプチャ成分を与えて、リガンド親和性、抗体/抗原結合又はイオン錯体形成を調節する、ように機能しうる。] [0033] 標識されたシステイン改変抗体は、例えば、特定の細胞、組織又は血清における対象の抗原の発現を検出するための診断的検査法に有用となりうる。診断用適用のために、抗体は一般的に検出可能な成分ににより標識されるであろう。多くの標識が利用可能であり、通常、以下のカテゴリに分類することができる: ラジオアイソトープ(放射性核種)、例えば3H、11C、14C、18F、32P、35S、64Cu、68Ga、86Y、99Tc、111In、123I、124I、125I、131I、133Xe、177Lu、211At、又は213Bi。放射性同位体標識抗体は、レセプター標的撮像実験において有用である。抗体は、Immunology, Volumes 1 and 2, Coligen等, Ed. Wiley-Interscience, New York, New York, Pubs. (1991)のCurrent Protocolsに記載される技術を用いて、リガンド試薬が抗体の改変システインチオールと反応性がある場合に、キレートを結合するか、あるいはラジオアイソトープ金属と複合化する該リガンド試薬により標識することができる。金属イオンを複合化しうるキレートリガンドには、DOTA、DOTP、DOTMA、DTPA及びTETA(Macrocyclics, Dallas, TX)が含まれる。放射性核種は、本発明の抗体−薬剤コンジュゲートとの複合体化によりターゲティングされうる(Wu等 (2005) Nature Biotechnology 23(9): 1137-1146)。] [0034] DOTA-マレイミド(4-マレイミドブチルアミドベンジル-DOTA)などのリンカー試薬は、イソプロピルクロロフォルメート(Aldrich)によって活性化される4-マレイミド酪酸(Fluka)とアミノベンジル-DOTAを反応させて、その後Axworthy等 (2000) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97(4): 1802-1807の手順によって調製されうる。DOTA-マレイミド試薬は、システイン改変抗体の遊離したシステインアミノ酸と反応して、抗体上の金属錯体形成リガンドを提供する(Lewis等 (1998) Bioconj. Chem. 9:72-86)。DOTA-NHS(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸モノ(N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)などのキレート化リンカー標識試薬は市販されている(Macrocyclics, Dallas, TX)。放射性核種標識抗体によるレセプター標的造影は、腫瘍組織の抗体の進行性蓄積の検出及び定量化によって経路活性化のマーカーとなりうる(Albert等 (1998) Bioorg. Med. Chem. Lett. 8:1207-1210)。コンジュゲートした放射性金属はリソソーム分解後に細胞内に残りうる。 造影実験のための抗体標識として好適な金属-キレート複合体は以下に開示される。米国特許第5342606号、米国特許第5428155号、米国特許第5316757号、米国特許第5480990号、米国特許第5462725号、米国特許第5428139号、米国特許第5385893号、米国特許第5739294号、米国特許第5750660号、米国特許第5834456号、Hnatowich等 (1983) J. Immunol. Methods65:147-157;Meares等 (1984) Anal. Biochem. 142:68-78;Mirzadeh等 (1990) Bioconjugate Chem. 1:59-65;Meares等 (1990) J. Cancer1990, Suppl. 10:21-26;Izard等 (1992) Bioconjugate Chem. 3:346-350;Nikula等 (1995) Nucl. Med. Biol. 22:387-90;Camera等 (1993) Nucl. Med. Biol. 20:955-62;Kukis等 (1998) J. Nucl. Med. 39: 2105-2110;Verel等 (2003) J. Nucl. Med. 44: 1663-1670;Camera等 (1994) J. Nucl. Med. 21: 640-646;Ruegg等 (1990) Cancer Res. 50: 4221-4226;Verel等 (2003) J. Nucl. Med. 44: 1663-1670;Lee等 (2001) Cancer Res. 61: 4474-4482;Mitchell,等 (2003) J. Nucl. Med. 44: 1105-1112;Kobayashi等 (1999) Bioconjugate Chem. 10:103-111;Miederer等 (2004) J. Nucl. Med. 45: 129-137;DeNardo等 (1998) Clinical Cancer Research 4:2483-90;Blend等 (2003) Cancer Biotherapy & Radiopharmaceuticals 18:355-363;Nikula等 (1999) J. Nucl. Med. 40: 166-76;Kobayashi等 (1998) J. Nucl. Med. 39: 829-36;Mardirossian等 (1993) Nucl. Med. Biol. 20:65-74;Roselli等 (1999) Cancer Biotherapy & Radiopharmaceuticals, 14:209-20。] [0035] 蛍光標識、例えば希有土類キレート(ユウロピウムキレート)、FITC、5-カルボキシフルオレセイン、6カルボキシフルオレセインを含むフルオレセイン種;TAMRAを含むローダミン種;ダンシル;リサミン;シアニン;フィコエリトリン;テキサスレッド;及びこれらの類似体。蛍光標識は、例えば、上記のImmunologyのCurrent Protocolsに開示される技術を用いて抗体にコンジュゲートすることができる。蛍光色素及び蛍光標識試薬には、Invitrogen/Molecular Probes (Eugene, OR)及びPierce Biotechnology, Inc. (Rockford,IL)から市販されているものが含まれる。] [0036] 様々な酵素基質標識は利用可能であり、開示されてもいる(米国特許第4275149号)。一般に、酵素は、様々な技術を用いて測定することができる色素生産性基質の化学変化を触媒する。例えば、酵素は、分光測光法で測定することができる基質の変色を触媒するかもしれない。あるいは、酵素は、基質の蛍光又は化学発光を変えうる。蛍光の変化を定量化する技術は上記の通りである。化学発光基質は、化学反応によって電子的に励起され、測定することができる(例えば化学ルミノメーターを用いて)か、又はエネルギーを蛍光受容基に与える光を発しうる。酵素標識の例には、ルシフェラーゼ(例えば、ホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ;米国特許第4737456号)、ルシフェリン、2,3-ジヒドロフタルアジネジオン(dihydrophthalazinediones)、リンゴ酸酵素、ウレアーゼ、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)などのペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ(AP)、β-ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リソチーム、サッカライドオキシダーゼ(例えばグルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ及びグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ)、複素環のオキシダーゼ(例えばウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼ)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼなどが含まれる。抗体に酵素をコンジュゲートする技術は、O'Sullivan等, Methodsfor the Preparation of Enzyme-Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassay, in Methods in Enzym. (ed J. Langone & H. Van Vunakis), Academic press, New York, 73:147-166 (1981)に記載されている。] [0037] 酵素基質の組合せの例には、例えば以下のものが含まれる: (i)基質として水素ペルオキシダーゼを有する西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)、ここで水素ペルオキシダーゼが染料前駆(例えば、オルソフェニレン(orthophenylene)ジアミン(OPD)又は3,3',5,5'テトラメチルのベンジジン塩酸塩(TMB))を酸化する; (ii)色素生産性基質としてリン酸パラグラフ-ニトロフェニルを有するアルカリホスファターゼ(AP);及び (iii) 色素生産性基質(例えばp-ニトロフェニル-β-D-ガラクトシダーゼ)又は蛍光発生基質4-メチルウンベリフェリル(methylumbelliferyl)-β-D-ガラクトシダーゼを有するβ-D-ガラクトシダーゼ(β-D-Gal)。 多数の他の酵素基質の組合せは当業者にとって利用可能である。これらの一般的な概要については、米国特許第4275149号及び同第4318980号を参照。] [0038] 標識は、アミノ酸側鎖、活性化されたアミノ酸側鎖、システイン改変抗体などと間接的にコンジュゲートされてもよい。例えば、抗体は、ビオチンとコンジュゲートさせることができ、前述した大きな3つの分類のうちの何れかはアビジン又はストレプトアビジンとコンジュゲートさせることができ、その逆もまた可能である。ビオチンは選択的にストレプトアビジンと結合し、したがって、標識はこの間接的な方法で抗体にコンジュゲートさせることができる。あるいは、ポリペプチド変異体と標識とを間接的にコンジュゲートさせるために、ポリペプチド変異体は小ハプテン(例えばジゴキシン)とコンジュゲートさせ、前述した標識の異なるタイプのうちの1つは抗ハプテンポリペプチド変異体(例えば抗ジゴキシン抗体)とコンジュゲートさせる。したがって、ポリペプチド変異体と標識は間接的にコンジュゲートすることができる(Hermanson, G. (1996) in Bioconjugate Techniques Academic Press, San Diego)。] [0039] 本発明の抗体は、任意の公知のアッセイ方法、例えばELISA、競合結合アッセイ、直接的及び間接的なサンドイッチアッセイ及び免疫沈降アッセイに用いられてもよい(Zola, (1987) Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques, pp.147-158,CRCPress, Inc.)。 検出標識は、結合又は認識事象を局所化し、視覚化して、数量化するために有用となりうる。本発明の標識抗体は細胞表面レセプターを検出しうる。検出可能に標識した抗体についての他の使用は、蛍光標識抗体とビーズをコンジュゲートさせ、リガンド結合時の蛍光シグナルを検出することを含む、ビーズに基づく免疫キャプチャの方法である。同様の結合検出方法論は、表面プラスモン共鳴(SPR)効果を利用して抗体-抗原相互作用を測定して検出するものである。 蛍光色素及び化学発光色素などの検出標識(Briggs等 (1997) "Synthesis of Functionalised Fluorescent Dyes and Their Coupling to Amines and Amino Acids," J. Chem. Soc., Perkin-Trans. 1:1051-1058)は検出可能なシグナルを提供し、通常、好ましくは以下のような特性により標識化抗体に応用することができる。(i) 標識抗体は、少量の抗体が無細胞アッセイ及び細胞に基づくアッセイにおいて敏感に検出されるように低いバックグランドで非常に高いシグナルを産生するものである、さらに、(ii) 標識抗体は、有意に写真を退色させることなく蛍光シグナルが観察され、モニターされ、記録されるように、光安定性を有するものである。膜又は細胞表面、特に生きている細胞への標識抗体の細胞表面結合を伴う用途では、標識は、(iii) 有効なコンジュゲート濃度と検出感度が達成されるように良好な水溶性であり、(iv) 細胞の正常な代謝過程が破壊されないか、又は早期に細胞死を引き起こさないように生きている細胞に対して毒性がないことが好ましい。] [0040] 細胞性蛍光強度の直接の定量化と蛍光標識事象、例えば、ペプチド-色素コンジュゲートの細胞表面結合の算出は、生きている細胞又はビーズによる非放射性アッセイである、混合と読み取り(mix-and-read)を自動化するシステム(FMAT(登録商標) 8100HTSシステム、Applied Biosystems, FosterCity, Calif.)で実施してもよい(Miraglia, "Homogeneous cell- and bead-based assays for high throughput screening using fluorometric microvolume assay technology", (1999) J. of Biomolecular Screening 4:193-204)。また、標識抗体の使用には、細胞表面レセプター結合アッセイ、イムノキャプチャアッセイ、蛍光結合免疫吸着アッセイ(FLISA)、カスパーゼ切断(Zheng, "Caspase-3 controls both cytoplasmic and nuclear events associated with Fas-mediated apoptosis in vivo", (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:618-23;米国特許第6372907号)、アポトーシス(Vermes, "A novel assay for apoptosis. Flow cytometric detection of phosphatidylserine expression on early apoptotic cells using fluorescein labelled Annexin V" (1995) J. Immunol. Methods184:39-51)及び細胞障害性アッセイが含まれる。蛍光定量的マイクロ体積アッセイ技術を用いて、細胞表面を標識とする分子によって上方制御又は下方制御を同定することができる(Swartzman, "A homogeneous and multiplexed immunoassay for high-throughput screening using fluorometric microvolume assay technology", (1999) Anal. Biochem. 271:143-51)。] [0041] 本発明の標識抗体は、様々な方法及び以下のような生医学的かつ分子的撮像法の技術によってバイオマーカーやプローブを造影する際に有用である。(i)MRI(磁気共鳴画像法)、(ii) MicroCT(コンピューター断層撮影法)、(iii)SPECT(単一光子放射型コンピュータ断層撮影法)、(iv) PET(ポジトロン放出断層撮影) Chen等 (2004) Bioconjugate Chem. 15:41-49、(v)バイオルミネセンス、(vi)蛍光、及び(vii) 超音波。イムノシンチグラフィは、放射性物質にによって標識された抗体が動物又はヒト患者に投与される造影手順であり、画像は抗体が局在する身体の部位のものである(米国特許第6528624号)。造影バイオマーカーは、客観的に測定され、正常な生物学的プロセス、病原性プロセス、又は治療的介入に対する薬理学的応答の指標として評価されてもよい。バイオマーカーはいくつかの種類がある。タイプ0は、疾患の自然な成長マーカーであって、公知の臨床指標、例えば関節リウマチの滑液炎症のMRI評価と縦方向に相関する。タイプIマーカーは、例えばメカニズムが臨床転帰と関係していなくても、作用のメカニズム(mechanism-of-action)の関係として介入の効果を捕らえる。タイプIIマーカーは代理のエンドポイントとして機能するものであり、該バイオマーカーの変化又は該バイオマーカーのシグナルから、関節リウマチの骨浸食をCTで測定するなどの目的の応答を「有効と認める」ために臨床的な利点を予測する。したがって、造影バイオマーカーは、(i)標的タンパク質の発現、(ii) 標的タンパク質に対する治療用の結合、すなわち選択性、及び(iii)クリアランス及び半減期の薬物動態学的データについての薬物動態学的(PD)治療的情報を提供しうる。研究室ベースのバイオマーカーと比較したときのインビボ造影バイオマーカーの利点には、非侵襲性処置、定量化できる、全身評価、反復性投与及び評価、すなわち複数の時点の投与と評価、及び臨床前(小動物)の結果を臨床(ヒト)の結果に潜在的に置き換えることができる結果が含まれる。用途によっては、バイオイメージングは、前臨床研究の多くの動物実験の代替となるか又は最小化する。] [0042] ペプチド標識方法は周知である。Haugland, 2003, Molecular Probes Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals, Molecular Probes, Inc.; Brinkley, 1992, Bioconjugate Chem. 3:2;Garman, (1997) Non-Radioactive Labelling: A Practical Approach, Academic Press, London; Means (1990) Bioconjugate Chem. 1:2;Glazer等 (1975) Chemical Modification of Proteins. Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology (T. S. Work and E. Work, Eds.) American Elsevier Publishing Co., New York;Lundblad, R. L. and Noyes, C. M. (1984) Chemical Reagents for Protein Modification, Vols. I and II,CRCPress, New York;Pfleiderer, G. (1985) "Chemical Modification of Proteins", Modern Methods in Protein Chemistry, H. Tschesche, Ed., Walter DeGryter, Berlin and New York;及びWong (1991) Chemistry of Protein Conjugation and Cross-linking, CRC Press, Boca Raton, Fla.);De Leon-Rodriguez等 (2004) Chem.Eur. J. 10:1149-1155;Lewis等 (2001) Bioconjugate Chem. 12:320-324;Li等 (2002) Bioconjugate Chem. 13:110-115;Mier等 (2005) Bioconjugate Chem. 16:240-237を参照。 十分近接した蛍光レポーターとクエンチャーの2つの成分にて標識されたペプチドとタンパク質は、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を受ける。レポーター基は、一般的に、特定の波長で光に励起され、エネルギーをアクセプター又はクエンチャーに転移して、その結果、最大の明るさで発光するための適切なストークスシフトが生じる蛍光色素である。蛍光色素には、広範な芳香族性を有する分子、例としてフルオレセイン及びローダミン、ないしこれらの誘導体が含まれる。蛍光レポーターは、完全なペプチドのクエンチャー成分によって部分的あるいは有意に失活されうる。ペプチダーゼ又はプロテアーゼによるペプチドの切断時に、蛍光の検出可能な増加が測定されうる(Knight, C. (1995) "Fluorimetric Assays of Proteolytic Enzymes", Methods in Enzymology, Academic Press, 248:18-34)。] [0043] また、本発明の標識抗体は親和性精製剤として用いられてもよい。この方法では、標識抗体は、当分野で公知の方法を用いて、セファデックス樹脂又は濾紙などの固相に固定される。固定された抗体は、精製される抗原を含む試料と接触させ、その後、支持体を、精製される抗原以外の試料中の実質的にすべての物質を取り除く適切な溶媒にて洗浄し、固定されたポリペプチド変異体に結合させる。最後に、抗原をポリペプチド変異体から放すように、支持体を他の適切な溶媒、例えばグリシンバッファ、pH5.0にて洗浄する。 標識化試薬は、一般的に、(i) 標識抗体を形成するためにシステイン改変抗体のシステインチオールと直接、(ii)リンカー-標識中間生成物を形成するためにリンカー試薬と、又は(iii) 標識抗体を形成するためにリンカー抗体と、反応しうる反応官能基を保持する。標識試薬の反応性官能基には、マレイミド、ハロアセチル、ヨードアセトアミドスクシンイミジルエステル(例えば、NHS、N-ヒドロキシスクシンイミド)、イソチオシアネート、スルホニルクロリド、2,6-ジクロロトリアジニル、ペンタフルオロフェニルエステル、及びホスホラミダイトが含まれるが、他の官能基も用いられてよい。] [0044] 例示的な反応性官能基は、検出可能な標識、例えばビオチンや蛍光色素のカルボキシル置換基のN-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHS)である。標識のNHSエステルを予め造っても、単離しても、及び/又は特徴付けてもよく、あるいはインサイツで形成して、抗体の求核基と反応させてもよい。典型的には、標識のカルボキシル型を、カルボジイミド試薬、例としてジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、又はユーロニウム試薬、例としてTSTU (O-(N-スクシンイミジル)-N,N,N',N'-テトラメチルユーロニウムテトラフルオロボレート)、HBTU (O-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルユーロニウムヘキサフルオロホスフェート)、又はHATU (O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルユーロニウム ヘキサフルオロホスフェート)、標識のNHSエステルを与えるためのアクチベーター、例えば1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、及びN-ヒドロキシスクシンイミドのいくつかの組み合わせと反応させることによって活性化する。場合によって、標識のインサイツ活性化と抗体との反応によって標識と抗体をカップリングさせて、一工程で標識-抗体複合体を形成させてもよい。他の活性化試薬及びカップリング試薬には、TBTU (2-(1H-ベンゾトリアゾ-1-イル)-1-1,3,3-テトラメチルユーロニウム ヘキサフルオロホスフェート)、TFFH (N,N',N'',N'''-テトラメチルユーロニウム 2-フルオロ-ヘキサフルオロホスフェート)、PyBOP(ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、EEDQ(2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロ-キノリン)、DCC (ジシクロヘキシルカルボジイミド);DIPCDI (ジイソプロピルカルボジイミド)、MSNT(1-(メシチレン-2-スルホニル)-3-ニトロ-1H-1,2,4-トリアゾール、及びアリールスルホニルハロゲン化物、例えばトリイソプロピルベンゼンスルホニルクロライドが含まれる。] [0045] 本発明のアルブミン結合ペプチド-Fab化合物: 一態様では、本発明の抗体はアルブミン結合タンパク質に融合される。血漿タンパク質結合は、生存が短い分子の薬物動態学的性質を向上させる有効な手段となりうる。アルブミンは血漿中で最も多いタンパク質である。血清アルブミン結合ペプチド類(ABP)は、組織取り込み、浸透及び拡散の変更を含む、融合した活性なドメインタンパク質の薬物動態を変えうる。これらの薬物動態学的パラメータは、適切な血清アルブミン結合ペプチド配列を特異的に選別することによって調製されうる(米国特許公開20040001827)。一連のアルブミン結合ペプチドは、ファージディスプレイスクリーニングによって同定された(Dennis等 (2002) "Albumin Binding As A General Strategy For Improving The Pharmacokinetics Of Proteins" J Biol Chem. 277:35035-35043;国際公開第01/45746号)。本発明の化合物には、(i) Dennis等 (2002) J Biol Chem. 277:35035-35043 at Tables III and IV, page 35038、(ii) 米国特許公開20040001827の[0076] 配列番号9から22、及び(iii) 国際公開第01/45746号の12〜13頁に示されるABP配列が含まれ、これらの文献はすべて出典明記によって本明細書中に援用される。アルブミン結合(ABP)-Fabは、1:1の化学量比(1ABP/1Fab)で、Fab重鎖のC末端にアルブミン結合ペプチドを融合させることによって作製した。アルブミンとのこれらABP-Fabの会合により、抗体の半減期がウサギ及びマウスの25倍以上に増加したことが示された。したがって、上記の反応性のCys残基をこれらABP-Fabに導入し、細胞障害性剤と部位特異的にコンジュゲートさせた後にインビボ動物実験に用いることができる。 例示的なアルブミン結合ペプチド配列には、以下に列挙する配列番号52から56のアミノ酸配列が含まれるが、これらに限定されるものではない。 CDKTHTGGGSQRLMEDICLPRWGCLWEDDF 配列番号:52 QRLMEDICLPRWGCLWEDDF 配列番号:53 QRLIEDICLPRWGCLWEDDF 配列番号:54 RLIEDICLPRWGCLWEDD 配列番号:55 DICLPRWGCLW 配列番号:56] [0046] 抗体−薬剤コンジュゲート 他の態様では、本発明は、化学療法剤、薬剤、増殖阻害剤、毒素(例えば、細菌、糸状菌、植物又は動物由来の酵素活性性毒素、又はその断片)、又は放射性同位体(すなわち放射性コンジュゲート)などの細胞毒性剤にコンジュゲートした抗体を含む、抗体−薬剤コンジュゲート(ADC)を提供する。他の態様では、本発明はさらに、イムノコンジュゲートの使用方法を提供する。一態様では、イムノコンジュゲートは、細胞障害性剤又は検出可能な薬剤に共有結合して付着した前記いずれかの抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体を含む。] [0047] 一実施態様では、本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体は、他の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、他のTAHO抗体によって結合されるヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、TAHOポリペプチド上の同じエピトープと結合する。他の実施態様では、本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体は、Rosewell Park Cancer Institute(Okazaki et al., Blood, 81(1): 84-95 (1993))から得たハイブリドーマから生成したSN8モノクローナル抗体、配列番号:10(図10)及び配列番号:12(図12)の可変ドメインを含むモノクローナル抗体又はRosewell Park Cancer Institute(Okazaki et al., Blood, 81(1): 84-95 (1993))から得たハイブリドーマから生成した何れかの抗体の可変ドメイン及びIgG1からの不変ドメインを含むキメラ抗体、又は、配列番号:10(図10)及び配列番号:11(図2)の配列を含むモノクローナル抗体の可変ドメインのFab断片によって結合されるヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、TAHOポリペプチド上の同じエピトープに結合する。他の実施態様では、本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体は、他のTAHO抗体(すなわち、CB3.1(BD Biosciences Catalog #555678; San Jose, CA)、AT105-1(AbD Serotec Catalog #MCA2208; Raleigh,NC)、AT107-2(AbD Serotec Catalog #MCA2209)、抗ヒトCD79b(TAHO5)抗体(BD Biosciences Catalog #557592; San Jose, CA))によって結合されるヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、TAHOポリペプチド上の同じエピトープに結合する。] 図10 図12 図2 [0048] 他の実施態様では、本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体は、他の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、他のTAHO抗体によって結合されるエピトープとは異なる、ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、TAHOポリペプチド上のエピトープと結合する。他の実施態様では、本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体は、Rosewell Park Cancer Institute(Okazaki et al., Blood, 81(1): 84-95 (1993))から得たハイブリドーマから生成したSN8モノクローナル抗体、配列番号:10(図10)及び配列番号:12(図12)の可変ドメインを含むモノクローナル抗体又はRosewell Park Cancer Institute(Okazaki et al., Blood, 81(1): 84-95 (1993))から得たハイブリドーマから生成した何れかの抗体の可変ドメイン及びIgG1からの不変ドメインを含むキメラ抗体、又は、配列番号:10(図10)及び配列番号:12(図12)の配列を含むモノクローナル抗体の可変ドメインのFab断片によって結合されるエピトープとは異なる、ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、TAHOポリペプチド上の同じエピトープに結合する。他の実施態様では、本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体は、他のTAHO抗体(すなわち、CB3.1(BD Biosciences Catalog #555678; San Jose, CA)、AT105-1(AbD Serotec Catalog #MCA2208; Raleigh,NC)、AT107-2(AbD Serotec Catalog #MCA2209)、抗ヒトCD79b(TAHO5)抗体(BD Biosciences Catalog #557592; San Jose, CA))によって結合されるヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、TAHOポリペプチド上の同じエピトープに結合する。] 図10 図12 [0049] 他の実施態様では、本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体は、Rosewell Park Cancer Institute(Okazaki et al., Blood, 81(1): 84-95 (1993))から得たハイブリドーマから生成したSN8モノクローナル抗体、配列番号:10(図10)及び配列番号:12(図12)の可変ドメインを含むモノクローナル抗体又はRosewell Park Cancer Institute(Okazaki et al., Blood, 81(1): 84-95 (1993))から得たハイブリドーマから生成した何れかの抗体の可変ドメイン及びIgG1からの不変ドメインを含むキメラ抗体、又は、配列番号:10(図10)及び配列番号:12(図12)の配列を含むモノクローナル抗体の可変ドメインのFab断片とは異なる(すなわち、それではない)。他の実施態様では、本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体は、他のTAHO抗体(すなわち、CB3.1(BD Biosciences Catalog #555678; San Jose, CA)、AT105-1(AbD Serotec Catalog #MCA2208; Raleigh,NC)、AT107-2(AbD Serotec Catalog #MCA2209)、抗ヒトCD79b(TAHO5)抗体(BD Biosciences Catalog #557592; San Jose, CA))のFab断片とは異なる(すなわち、それではない)。] 図10 図12 [0050] 一実施態様では、本発明の抗体は、第一動物種のCD79bに特異的に結合し、第二動物種のCD79bには特異的に結合しない。一実施態様では、第一動物種はヒト及び/又は霊長類(例えばカニクイザル)であり、第二動物種はマウス(例えばマウス)及び/又はイヌである。一実施態様では、第一動物種はヒトである。一実施態様では、第一動物種は霊長類、例えばカニクイザルである。一実施態様では、第二動物種はマウス、例えばマウスである。一実施態様では、第二動物種はイヌである。] [0051] 本発明の他の実施態様では、本発明はここで開示されている、システイン改変抗体を含む、抗体の何れかをコードするDNAを含むベクターを提供する。任意のそのようなベクターを含む宿主細胞も提供される。例を挙げると、この宿主細胞はCHO細胞、大腸菌、又は酵母菌であり得る。ここに記載されている抗体の製造方法が更に提供され、所望する抗体の発現に適切な条件下で宿主細胞を培養し、細胞培養物からその所望する抗体を回収することを含んでなる。 他の実施態様では、本発明は、上記の又は下記のヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチドの何れかに、好ましくは特異的に、結合するオリゴペプチド(「ヒトCD79b(TAHO5)結合オリゴペプチド」又は「カニクイザルCD79b(TAHO40)結合オリゴペプチド」のような、「TAHO結合オリゴペプチド」)を提供する。場合によっては、本発明のヒトCD79b(TAHO5)結合オリゴペプチド又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合オリゴペプチドのような、TAHO結合ポリペプチドは、例えばメイタンシノイド又はカリケアマイシンを含む毒素のような成長阻害剤又は細胞障害性剤、抗生物質、放射性同位体、核溶解性酵素等とコンジュゲートされうる。本発明のヒトCD79b(TAHO5)結合オリゴペプチド又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合オリゴペプチドのような、TAHO結合ポリペプチドは、場合によってはCHO細胞又は細菌細胞中で産生され、好ましくは、それが結合する細胞の死を誘導する。検出のために、本発明のヒトCD79b(TAHO5)結合オリゴペプチド又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合オリゴペプチドのような、TAHO結合ポリペプチドは、検出可能に標識されたり、固体支持体等に付着させられたりする。 本発明の他の実施態様では、本発明は、ここで記載されているヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合オリゴペプチドのような、TAHO結合オリゴペプチドの何れかをコードするDNAを含むベクターを提供する。任意のそのようなベクターを含む宿主細胞も提供される。例を挙げると、宿主細胞はCHO細胞、大腸菌、又は酵母菌であり得る。ここに記載されているヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合オリゴペプチドのような、TAHO結合オリゴペプチドの任意のものを製造する方法が更に提供され、所望するオリゴペプチドの発現に適切な条件下で宿主細胞を培養し、細胞培養からその所望するオリゴペプチドを回収することを含んでなる。 他の実施態様では、本発明は、上記の又は下記のヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチドの何れかに、好ましくは特異的に、結合する小有機分子(「ヒトCD79b(TAHO5)結合有機分子」又は「カニクイザルCD79b(TAHO40)結合有機分子」のような、「TAHO結合有機分子」)を提供する。場合によっては、本発明のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合有機分子のような、TAHO結合有機分子は、例えばメイタンシノイド又はカリケアマイシンを含む毒素のような成長阻害剤又は細胞障害性剤、抗生物質、放射性同位体、核溶解性酵素等とコンジュゲートし得る。本発明のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合有機分子のような、TAHO結合有機分子は、好ましくは、それが結合する細胞の死を誘導する。検出のために、本発明のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合有機分子のような、TAHO結合有機分子は、検出可能に標識したり、固体支持体等に付着したりできる。] [0052] より更なる実施態様では、本発明は、担体と組み合わされて、ここに記載のヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチド、ここに記載のキメラヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、キメラTAHOポリペプチド、ここに記載の抗ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体、ここに記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合オリゴペプチドのような、TAHO結合オリゴペプチド、又はここに記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合有機分子のような、TAHO結合有機分子を含有する組成物に関する。場合によっては、この担体は薬学的に受容可能な担体である。 更に他の実施態様では、本発明は、容器及び容器内に収容された組成物を含む製造品に関し、その組成物には、ここに記載のヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチド、ここに記載のキメラヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、キメラTAHOポリペプチド、ここに記載の抗ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体、ここに記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合オリゴペプチドのような、TAHO結合オリゴペプチド、又はここに記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合有機分子のような、TAHO結合有機分子が含まれ得る。製造品は、更に場合によっては、治療的処置のためのこの組成物の使用に言及する、容器に添付したラベル、又は容器内に含まれるパッケージ挿入物を含みうる。 一態様では、本発明は、1以上の本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体を含む組成物を含む第1の容器とバッファを含む第2の容器を含むキットを提供する。一実施態様では、バッファは薬学的に許容可能である。一実施態様では、アンタゴニスト抗体を含む組成物は担体を更に含み、ある実施態様では、薬学的に許容可能なものである。一実施態様では、キットは、被検体への組成物(例えば抗体)の投与についての指示を更に含む。] [0053] 本発明の他の実施態様は、ここに記載のヒトCD79b(TAHO5)及び/又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、TAHOポリペプチド、ここに記載のキメラヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、キメラTAHOポリペプチド、ここに記載の抗ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体、ここに記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合オリゴペプチドのような、TAHO結合オリゴペプチド、又はここに記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合有機分子のような、TAHO結合有機分子に反応する症状の治療に有用な医薬の調製のための、ここに記載のヒトCD79ポリペプチドのような、TAHOポリペプチド、ここに記載のキメラヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)ポリペプチドのような、キメラTAHOポリペプチド、ここに記載の抗ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、抗TAHO抗体、ここに記載のヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)結合オリゴペプチドのような、TAHO結合オリゴペプチド、又はここに記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)結合有機分子のような、TAHO結合有機分子の使用に関する。] [0054] 一態様では、本発明は、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患などの疾患の治療的及び/又は予防的処置のための医薬の調製における本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体のような、TAHO抗体の使用を提供する。一実施態様では、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患は、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、進行性NHL、再発性進行性NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)及びマントル細胞リンパ腫から選択される。 一態様では、本発明は、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患などの疾患の治療的及び/又は予防的処置のための医薬の調製における本発明の核酸の使用を提供する。一実施態様では、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患は、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、進行性NHL、再発性進行性NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)及びマントル細胞リンパ腫から選択される。] [0055] 一態様では、本発明は、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患などの疾患の治療的及び/又は予防的処置のための医薬の調製における本発明の発現ベクターの使用を提供する。一実施態様では、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患は、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、進行性NHL、再発性進行性NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)及びマントル細胞リンパ腫から選択される。 一態様では、本発明は、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患などの疾患の治療的及び/又は予防的処置のための医薬の調製における本発明の宿主細胞の使用を提供する。一実施態様では、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患は、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、進行性NHL、再発性進行性NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)及びマントル細胞リンパ腫から選択される。] [0056] 一態様では、本発明は、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患などの疾患の治療的及び/又は予防的処置のための医薬の調製における本発明の製造品の使用を提供する。一実施態様では、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患は、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、進行性NHL、再発性進行性NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)及びマントル細胞リンパ腫から選択される。 一態様では、本発明は、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患などの疾患の治療的及び/又は予防的処置のための医薬の調製における本発明のキットの使用を提供する。一実施態様では、癌、腫瘍及び/又は細胞増殖性疾患は、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、進行性NHL、再発性進行性NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)及びマントル細胞リンパ腫から選択される。] [0057] 一態様では、本発明は、任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドを発現する細胞の増殖を阻害する方法であって、該細胞を本発明の抗体と接触させることを含み、これによって該細胞の増殖の阻害が生じる方法を提供する。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。 一態様では、本発明は、任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドを発現する細胞を含む癌性の腫瘍を有する哺乳動物を治療的に処置する方法であって、該哺乳動物に本発明の抗体の治療上有効量を投与することを含み、それによって、該哺乳動物を効果的に処置される方法を提供する。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。 一態様では、本発明は、任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドの発現増加と関連する細胞増殖性疾患の治療又は予防方法であって、本発明の抗体の有効量を該処置が必要な被検体に投与することを含み、これによって該細胞増殖性疾患が効果的に治療又は予防される方法を提供する。一実施態様では、前記増殖性疾患は癌である。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。] [0058] 一態様では、本発明は、細胞の増殖の阻害方法であって、この細胞の増殖の少なくとも一部は任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドの増殖亢進作用に依存しているものであり、該細胞を有効量の本発明の抗体と接触させることを含み、これによって該細胞の増殖が阻害される方法を提供する。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。 一態様では、本発明は、哺乳動物の腫瘍を治療的に処置する方法であって、この腫瘍の増殖の少なくとも一部は任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドの増殖亢進作用に依存しているものであり、該細胞を有効量の本発明の抗体と接触させることを含み、これによって該腫瘍が効果的に処置される方法を提供する。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。] [0059] 一態様では、本発明は、本明細書中に記載のイムノコンジュゲート、薬学的に許容可能な希釈液、担体又は賦形剤を含有する薬学的製剤を患者に投与することを含む、癌の治療方法を提供する。一実施態様では、癌は、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、進行性NHL、再発性進行性NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)及びマントル細胞リンパ腫から選択される。一実施態様では、患者は、抗体−薬剤コンジュゲート化合物と組み合わせた細胞障害性剤が投与される。 一態様では、本発明は、B細胞増殖の阻害方法であって、ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドに対するイムノコンジュゲートの結合に許容される条件下で本発明の抗体を含むイムノコンジュゲートに細胞をさらすことを含む方法を提供する。一実施態様では、B細胞増殖は、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、進行性NHL、再発性進行性NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)及びマントル細胞リンパ腫から選択される。一実施態様では、B細胞は異種移植片である。一実施態様では、曝露はインビトロで行う。一実施態様では、曝露はインビボで行う。] [0060] 一態様では、本発明は、任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドを含有することが疑われる試料において任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドの存在を決定する方法であって、該試料を本発明の抗体にさらし、該試料において任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドに対する該抗体の結合を決定することを含み、このとき該試料における任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドへの該抗体の結合が該試料における該タンパク質の存在を表す方法を提供する。一実施態様では、試料は生体試料である。さらなる実施態様では、生体試料はB細胞を含む。一実施態様では、生体試料は、限定するものではないが、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、進行性NHL、再発性進行性NHL、再発性低悪性度NHL、難治性NHL、難治性低悪性度NHL、慢性リンパ球性白血病(CLL)、小リンパ球性リンパ腫、白血病、毛様細胞白血病(HCL)、急性リンパ球性白血病(ALL)及びマントル細胞リンパ腫を含む、B細胞疾患及び/又はB細胞増殖性疾患に罹患しているか、又は罹患することが疑われる哺乳動物から得る。 一態様では、本発明は、任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドを発現する、B細胞などの細胞の増加と関連する細胞増殖性疾患の診断方法であって、生体試料中の試験細胞を上記いずれかの抗体と接触させ、任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドに対する抗体の結合を検出することによって、試料において試験細胞に結合した抗体のレベルを決定し、そして、コントロール試料において細胞に結合した抗体のレベルを比較することを含み、このとき、結合した抗体のレベルが試験試料及びコントロール試料における任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)発現細胞のような、TAHO発現細胞の数に正規化され、コントロール試料と比較して試験試料において結合した抗体のレベルが高い場合に、任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドを発現する細胞と関連する細胞増殖性疾患の存在を示す方法を提供する。] [0061] 一態様では、本発明は、血液又は血清における可溶性の任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドの検出方法であって、B細胞増殖性疾患の発症の疑いのある哺乳動物からの血液又は血清の試験試料を本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体を含む、抗TAHO抗体と接触させ、正常な哺乳動物からの血液又は血清のコントロール試料と比較して試験試料における可溶性の任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドの増加を検出することを含む方法を提供する。ある実施態様では、検出方法は、哺乳動物の血液又は血清中の可溶性の任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドの増加と関係しているB細胞増殖性疾患を診断する方法として有用である。 一態様では、任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドを発現する細胞への本発明の抗体の結合方法であって、本発明の抗体と該細胞を接触させることを含む。一実施態様では、抗体は細胞障害性剤にコンジュゲートされる。一実施態様では、抗体は増殖阻害性剤にコンジュゲートされる。] [0062] 本発明の方法は、任意の好適な病理学的状態、例えば任意の上又は下に記載のヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドの発現と関連する細胞及び/又は組織に作用するために用いられうる。一実施態様では、本発明の方法で標的とされる細胞は、造血性細胞である。例えば、造血性細胞は、リンパ球、白血球、血小板、赤血球及びナチュラルキラー細胞からなる群から選択されるものであってもよい。一実施態様では、本発明の方法で標的とされる細胞は、B細胞又はT細胞である。一実施態様では、本発明の方法で標的とされる細胞は、癌細胞である。例えば、癌細胞は、リンパ腫細胞、白血病細胞又は骨髄腫細胞からなる群から選択されるものであってもよい。 本発明の方法は、更なる処理工程を更に含んでもよい。例えば、一実施態様では、方法はさらに、標的とされる細胞及び/又は組織(例えば癌細胞)が放射線治療又は化学療法剤にさらされる工程を含む。] [0063] 本明細書において記述されるように、CD79bはB細胞レセプターのシグナル伝達構成成分である。したがって、本発明の方法のある実施態様では、標的とされる細胞(例えば癌細胞)は、ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドを発現しない細胞と比較して、ヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチドが発現されるものである。更なる実施態様では、標的とされる細胞は、同じ組織タイプの正常な非癌細胞と比較してヒトCD79b(TAHO5)又はカニクイザルCD79b(TAHO40)のような、TAHOポリペプチド発現が亢進されている癌細胞である。一実施態様では、本発明の方法によって、標的とされる細胞の死が生じる。 本発明の他の態様は、抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)を含む抗TAHOポリペプチド抗体に応答する症状の治療に有用な医薬の調製のための、本明細書中に記載の抗ヒトCD79b(TAHO5)又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)を含む抗TAHOポリペプチド抗体の使用に関する。 本発明の他の態様は、癌性腫瘍を有する哺乳類の治療の安全性を試験するための、ここに記載の、抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体若しくはシステイン改変抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体、又は抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体若しくはシステイン改変抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体を含むADCの使用法を提供し、ここで、前記治療は、ここに記載の抗ヒトCD79b(TAHO40)抗体若しくはシステイン改変抗ヒトCD79b(TAHO40)抗体、又は抗ヒトCD79b(TAHO40)抗体若しくはシステイン改変抗ヒトCD79b(TAHO40)抗体を含む。 本発明の他の態様は、抗体当たりの平均薬剤負荷がおよそ2からおよそ5、又はおよそ3からおよそ4である式Iの抗体−薬剤化合物の混合物を含む組成物である。] [0064] 本発明の他の態様は、式IADC化合物を含む薬学的組成物、式I ADC化合物、又はその薬学的に許容可能な塩ないしは溶媒和化合物と薬学的に許容可能な希釈液、担体ないしは賦形剤の混合物である。 他の態様は、式I ADC化合物と、抗癌性質又は他の治療効果を有する第二化合物とを含む薬学的組合せを提供する。 他の態様は、腫瘍細胞又は癌細胞の増殖を殺傷又は阻害するための方法であって、腫瘍細胞又は癌細胞の増殖を殺傷するか又は阻害するために有効である、式Iの抗体−薬剤コンジュゲート、又はその薬学的に許容可能な塩ないしは溶媒和化合物の有効量にて該細胞を処理することを含む方法である。] [0065] 他の態様は、癌の治療方法であって、式IADCを含む薬学的組成物の治療的有効量を患者に投与することを含む方法である。 他の態様には、抗体−薬剤コンジュゲート、容器、及び処置を示唆するパッケージ挿入物又はラベルを具備する製造品、すなわちキットが包含される。] 図面の簡単な説明 [0066] TAHO4(PRO36248)cDNAのヌクレオチド配列(配列番号1)を示し、配列番号1は、本明細書において「DNA225785」(「CD79a」とも呼ぶ)と命名するクローンである。ヌクレオチド配列はCD79bをコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。 図1に示される配列番号7のコード配列に由来するアミノ酸配列(配列番号2)を示す。 TAHO5(PRO36249)cDNAのヌクレオチド配列(配列番号3)を示し、配列番号3は、本明細書において「DNA225786」(「CD79b」とも呼ぶ)と命名するクローンである。ヌクレオチド配列はCD79bをコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。 図3に示される配列番号3のコード配列に由来するアミノ酸配列(配列番号4)を示す。 TAHO39(PRO283626)cDNAのヌクレオチド配列(配列番号5)を示し、配列番号5は、本明細書において「DNA548454」(「cynoCD79a」又は「カニクイザルCD79a」とも呼ぶ)と命名するクローンである。ヌクレオチド配列はCD79aをコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。 図5に示される配列番号6のコード配列に由来するアミノ酸配列(配列番号6)を示す。 TAHO40(PRO283627)cDNAのヌクレオチド配列(配列番号7)を示し、配列番号7は、本明細書において「DNA548455」(「cynoCD79b」又は「カニクイザルCD79b」とも呼ぶ)と命名するクローンである。ヌクレオチド配列はCD79aをコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。 図7に示される配列番号7のコード配列に由来するアミノ酸配列(配列番号8)を示す。 キメラSN8IgG1(抗ヒトCD79b(TAHO5)抗体(chSN8))の軽鎖のヌクレオチド配列(配列番号:9)を示す。ヌクレオチド配列は、抗ヒトCD79b(TAHO5)抗体(chSN8)の軽鎖をコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。 図9に示される配列番号:9のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:10)を示す(初めの18のアミノ酸シグナル配列を欠く)。可変領域は下線を付していない領域である。 キメラSN8IgG1(抗ヒトCD79b(TAHO5)抗体(chSN8))の重鎖のヌクレオチド配列(配列番号:242)を示す。ヌクレオチド配列は、抗ヒトCD79b(TAHO5)抗体(chSN8)の重鎖をコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。 図11に示される配列番号:11のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:12)を示す(初めの18のアミノ酸シグナル配列と停止コドン前の最後のリジン(K)を欠く)。可変領域は下線を付していない領域である。 ヒト(配列番号:4)、カニクイザル(cyno)(配列番号:8)及びマウス(配列番号:13)からのCD79bのアミノ酸配列のアラインメントを示す。ヒト及びcyno-CD79bは85%のアミノ酸同一性を有する。シグナル配列、試験ペプチド(実施例9に記載の11のアミノ酸ペプチド)、膜貫通(TM)ドメイン及びイムノレセプターチロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)ドメインを示す。囲みで示す領域は、CD79bのスプライス変異体には存在しないCD79bの領域である(実施例9に記載)。 正常な試料及び患部試料におけるTAHO4の発現、例えば、NHL試料及び多発性骨髄腫(MM)、正常な小脳及び正常な血液における有意な発現を示しているマイクロアレイデータを示す。図中使用される省略形は、以下の通りである:非ホジキンリンパ腫(NHL)、濾胞性リンパ腫(FL)、正常なリンパ節(NLN)、正常なB細胞(NB)、多発性骨髄腫細胞(MM)、小腸(s.intesine)、胎児の肝臓(f.liver)ナチュラルキラー細胞(NK)、好中球(N'phil)、樹状細胞(DC)、記憶B細胞(mem B)、プラズマ細胞(PC)、骨髄プラズマ細胞(BM PC)。 正常な試料及び患部試料におけるTAHO5の発現、例えばNHL試料における有意な発現を示しているマイクロアレイデータを示す。図中使用される省略形は、以下の通りである:非ホジキンリンパ腫(NHL)、濾胞性リンパ腫(FL)、正常なリンパ節(NLN)、正常なB細胞(NB)、多発性骨髄腫細胞(MM)、小腸(s.intesine)、胎児の肝臓(f.liver)ナチュラルキラー細胞(NK)、好中球(N'phil)、樹状細胞(DC)、記憶B細胞(mem B)、プラズマ細胞(PC)、骨髄プラズマ細胞(BM PC)。 抗ヒトCD79b(TAHO5)抗体(ch2F2)の軽鎖のヌクレオチド配列(配列番号:32)を示す。抗ヒトCD79b(TAHO5)抗体(ch2F2)をコードするヌクレオチド配列は、図17に示す。 図16に示される配列番号:32のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:33)を示す。可変領域は下線を付していない領域である。 抗ヒトCD79b(TAHO5)抗体(chF2)の重鎖のヌクレオチド配列(配列番号:34)を示す。抗ヒトCD79b(TAHO5)抗体(2F2)をコードするヌクレオチド配列は、図19に示す。 図18に示される配列番号:34のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:35)を示す(停止コドン前の最後のリジン(K)を欠く)。可変領域は下線を付していない領域である。 抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体(ch10d10)の軽鎖のヌクレオチド配列(配列番号:40)を示す。ヌクレオチド配列は、抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体(ch10d10)の軽鎖をコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。 図20に示される配列番号:40のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:41)を示す(初めの18のアミノ酸シグナル配列を欠く)。可変領域は下線を付していない領域である。 抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体(ch10d10)の重鎖のヌクレオチド配列(配列番号:242)を示す。ヌクレオチド配列は、抗カニクイザルCD79b(TAHO40)抗体(ch10d10)の重鎖をコードし、その開始コドンと停止コドンを太字と下線で示す。 図22に示される配列番号:42のコード配列から得られるアミノ酸配列(配列番号:43)を示す(初めの18のアミノ酸シグナル配列と停止コドン前の最後のリジン(K)を欠く)。可変領域は下線を付していない領域である。 実施例9に記載のイムノグロブリン軽鎖を発現するためのプラスミドpDR1(配列番号:48;5391bp)の配列を示す。pDR1は、無関係抗体、ヒト化抗CD3抗体(Shalaby等, J. Exp. Med., 175: 217-225 (1992))の軽鎖をコードする配列を含み、、開始及び停止コドンを太字及び下線で示す。 実施例9に記載のイムノグロブリン軽鎖を発現するためのプラスミドpDR2(配列番号:49;6135bp)の配列を示す。pDR2は、無関係抗体、ヒト化抗CD3抗体(Shalaby 等, 上掲)の軽鎖をコードする配列を含み、、開始及び停止コドンを太字及び下線で示す。 実施例9(Shields等, J Biol Chem, 276: 6591-6604 (2000))に記載のイムノグロブリン軽鎖の発現のためのpKL.LPG3ヒトKappa(配列番号:50)を示す。 実施例9(Shields等, J Biol Chem, 276: 6591-6604 (2000))に記載のイムノグロブリン重鎖の発現のためのpKL.LPG4ヒトKappa(配列番号:51)を示す。 システイン改変抗TAHO抗体薬剤コンジュゲート(ADC)を描写する。ここでは、軽鎖(LC-ADC);重鎖(HC-ADC);及びFc領域(Fc-ADC)内の改変システイン基に薬剤成分が付着されている。 (i)還元剤TCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンヒドロクロライド)による、システイン改変抗CD79b抗体(ThioMab)の鎖内及び鎖間のジスルフィドとシステインジスルフィド付加物を還元する、(ii) dhAA(デヒドロアスコルビン酸)により部分的に酸化させる、すなわち、再酸化させて鎖内及び鎖間のジスルフィドを再形成させる、そして、(iii) 再酸化させた抗体を薬剤−リンカー中間生成物とコンジュゲートさせ、システイン抗CD79b薬剤コンジュゲート(ADC)を形成させる、という工程を示す。 ヒト化システイン改変抗CD79b(TAHO5)抗体(チオ−chSN8−LC−V205C)の(A)軽鎖配列(配列番号:58)及び(B)重鎖配列(配列番号:57)を示す。ここでは、軽鎖のカバット位置205のバリン(連続的な位置バリン208)はシステインに変えられている。薬剤成分は、重鎖の改変されたシステイン基に付着されてもよい。各々の図において、変えられたアミノ酸は、二重下線と共に太字で示す。一重下線は定常領域を示す。可変領域は下線を付していない領域である。Fc領域は斜体で示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指す。 ヒト化システイン改変抗CD79b(TAHO5)抗体(チオ−chSN8-HC-A118C)の(A)軽鎖配列(配列番号:60)及び(B)重鎖配列(配列番号:59)を示す。ここでは、重鎖のEu位置118のアラニン(連続的な位置アラニン118;カバット位置114)はシステインに変えられている。薬剤成分は、重鎖の改変されたシステイン基に付着されてもよい。各々の図において、変えられたアミノ酸は、二重下線と共に太字で示す。一重下線は定常領域を示す。可変領域は下線を付していない領域である。Fc領域は斜体で示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指す。 FACSプロットは、BJAB-ルシフェラーゼ細胞の表面に発現されるCD79b(TAHO5)に対する本発明の抗ヒトCD79b(TAHO5)チオMAb薬剤コンジュゲート(TDC)の結合が、コンジュゲートされたMMAFを有するchMA79bの(A) LC(V205C) チオMAb変異体及び(B) MMAFを用いたchSN8のHC(A118C) チオMAb変異体と同程度であることを示す。MS抗ヒトIgG−PEにより検出した。「Thio」はシステイン改変抗体を指す。 FACSプロットは、cynoCD79b(TAHO40)を発現するBJAB-細胞の表面に発現されるCD79bに対する本発明の抗cynoCD79b(TAHO40) チオMAb薬剤コンジュゲート(TDC)の結合が、(A)抗cynoCD79b(TAHO40)(ch10D10)のネイキッド(コンジュゲートされていない)HC (A118C) チオMAb変異体、及び示される異なる薬剤コンジュゲート((B) MMAE、(C)DM1及び(D) MMAF)を有する抗cynoCD79b(TAHO40)(ch10D10)のコンジュゲートされたHC (A118C) チオMAb変異体と同程度であることを示す。MS抗huIgG−PEにより検出した。「Thio」はシステイン改変抗体を指す。 Granta−519(ヒトマントル細胞リンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフであり、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、改変したシステインの位置が異なる(LC(V205C)又はHC(A118C))及び/又は薬剤用量が異なる抗CD79b TDCの投与が、腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。チオ chSN8−HC(A118C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.9(表21)又はチオ chSN8−LC(V205C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.8(表21)にて処置した異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、hu−抗HER2−MC−MMAF及びチオ hu−抗HER2−HC(A118C)-MC−MMAF及びchSN8−MC−MMAFを含んだ。 Granta−519異種移植片試験(図33A及び表21)からのマウスの体重変化の割合のプロットである。これは、試験開始の14日間に体重の有意な変化がなかったことを示す。「Thio」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。 システイン改変抗cyno CD79b(TAHO40)抗体(Thio−抗cyno CD79b(TAHO40)-HC-A118C)の(A)軽鎖配列(配列番号:62)及び(B)重鎖配列(配列番号:61)を示し、ここでは、重鎖のEu位置118のアラニン(連続的な位置アラニン118;カバット位置114)はシステインに変えられている。あるいは、重鎖のEU位置6のアミノ酸D(図の影を付した部分)はEであってもよい。薬剤成分は、重鎖の改変されたシステイン基に付着されてもよい。各々の図において、変えられたアミノ酸は、二重下線と共に太字で示す。一重下線は定常領域を示す。可変領域は下線を付していない領域である。Fc領域は斜体で示す。「チオ 」はシステイン改変抗体を指す。 システイン改変抗cyno CD79b(TAHO40)抗体(Thio−抗cyno CD79b(TAHO40)-LC-V205C)の(A)軽鎖配列(配列番号:960)及び(B)重鎖配列(配列番号:95)を示し、ここでは、軽鎖のカバット位置205のバリン(連続的な位置バリン208)はシステインに変えられている。あるいは、重鎖のEU位置6のアミノ酸D(図の影を付した部分)はEであってもよい。薬剤成分は、重鎖の改変されたシステイン基に付着されてもよい。各々の図において、変えられたアミノ酸は、二重下線と共に太字で示す。一重下線は定常領域を示す。可変領域は下線を付していない領域である。Fc領域は斜体で示す。「チオ 」はシステイン改変抗体を指す。 BJAB−cynoCD79b(cynoCD79b(TAHO40)を発現するBJAB細胞)(バーキットリンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフであり、これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、異なるリンカー薬剤成分(BMPEO-DM1、MC-MMAF又はMCvcPAB−MMAE)にコンジュゲートさせた抗CD79b(TAHO40) TDCの投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。チオ 抗cyno CD79b(TAHO40)(ch10D10)-HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.8(表22)、チオ 抗cyno CD79b(TAHO40)(ch10D10)-HC(A118C)-MC−MMAF、薬剤負荷はおよそ1.9(表22)又はチオ 抗cyno CD79b(TAHO40)(ch10D10)-HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、薬剤負荷はおよそ1.86(表22)にて処置した異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、抗HER2コントロール(チオ hu−抗HER2−HC(A118C)-BMPEO-DM1、チオ hu−抗HER2−HC(A118C)-MCvcPAB-MMAE、チオ hu−抗HER2−HC(A118C)-MC−MMAF)を含んだ。「チオ 」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。 BJAB−cynoCD79b(cynoCD79b(TAHO40)を発現するBJAB細胞)(バーキットリンパ腫)異種移植片モデルにおけるインビボ腫瘍増殖の阻害のグラフであり、これは、ヒトB細胞腫瘍を有するSCIDマウスに対する、示されるように異なる用量で投与したBMPEO-DM1リンカー薬剤成分を有する抗CD79b (TAHO40)TDCの投与が腫瘍増殖を有意に阻害したことを示す。チオ 抗cynoC79b(TAHO40)(ch10D10)-HC(A118C)-BMPEO-DM1、薬剤負荷はおよそ1.8(表23)にて処置された異種移植片モデルは、試験の間、腫瘍増殖の有意な阻害を示した。コントロールは、抗HER2コントロール(チオ hu−抗HER2−HC(A118C)-BMPEO-DM1)及びhuMA79b.v28コントロール(チオ huMA79b.v28-HC(A118C)及び抗cynoCD79b(TAHO40)(ch10D10)コントロール(チオ 抗cynoCD79b(TAHO40)(ch10D10)-HC(A118C))を含む。「チオ 」はシステイン改変抗体を指し、「hu」はヒト化抗体を指す。(好ましい実施態様の詳細な説明)I.定義 ここで使用される「TAHOポリペプチド」及び「TAHO」という用語は、直後に数値表示がある場合には種々のポリペプチドを指し、完全な表示(つまり、TAHO/数字)は、ここに記載する特定のポリペプチド配列を意味する。「数字」という用語がここでは実際の数的表示として提供されている「TAHO/数字ポリペプチド」及び「TAHO/数字」という用語には、天然配列ポリペプチド、ポリペプチド変異体及び天然配列ポリペプチドとポリペプチド変異体の断片(ここでさらに定義される)を包含する。ここに記載されているTAHOポリペプチドは、ヒト組織型又は他の供給源といった種々の供給源から単離してもよく、あるいは組換え又は合成法によって調製してもよい。「TAHOポリペプチド」という用語は、ここに記載の各個々のTAHO/数字ポリペプチドを指す。「TAHOポリペプチド」を指すこの明細書の全ての開示は、各ポリペプチドを個々に指すと同時に集合的に指す。例えば、調製、精製、誘導、抗体の形成、TAHO結合オリゴペプチドの形成、TAHO結合有機分子の形成、投与、含有する組成物、疾患の治療等の記載は、本発明の各ポリペプチドに関している。 「TAHO4」はここで、「ヒトCD79a」とも呼ぶ。「TAHO5」はここで、「ヒトCD79b」とも呼ぶ。「TAHO39」はここで、「cynoCD79a」又は「カニクイザルCD79a」とも呼ぶ。「TAHO40」はここで、「cynoCD79b」又は「カニクイザルCD79b」とも呼ぶ。「カニクイザル」はここで、「cyno」とも呼ぶ。] 図1 図11 図16 図17 図18 図19 図20 図22 図3 図33A [0067] 特に明記しない限り、本明細書において用いられる「CD79b」なる用語は、霊長類(例えばヒト、カニクイザル(cyno))及び齧歯動物(例えばマウス及びラット)のような哺乳動物を含む任意の脊椎動物供与源からの任意の天然のCD79bに関する。また、CD79bは、本明細書中で「PRO36249」(配列番号:2)と称され、本明細書中で「DNA225786」としても称されるヌクレオチド配列(配列番号:1)によってコードされる。また、カニクイザルCD79bは、本明細書中で「cynoCD79b」又は「PRO283627」(配列番号:239)と称され、本明細書中で「DNA548455」としても称されるヌクレオチド配列(配列番号:238)によってコードされる。「CD79b」なる用語は、「完全長」、プロセシングされていないCD79b、並びに細胞内のプロセシングから生じるCD79bのいずれかの形態を包含する。また、この用語は、CD79bの天然に生じる変異体、例えばスプライス変異体、対立遺伝子変異体及びアイソフォームを包含する。本明細書において記述されるCD79bポリペプチドは、ヒト組織種ないしは他の供給源のような、様々な供与源から単離されてもよいし、又は組み換え法又は合成法によって調製されてもよい。「天然配列TAHOポリペプチド」には、天然由来のTAHOポリペプチドに対応する同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドが含まれる。このような天然配列TAHOポリペプチドは、自然から単離することもできるし、組換え又は合成手段により生成することもできる。「天然配列TAHOポリペプチド」という用語には、特に、特定のTAHOポリペプチドの自然に生じる切断又は分泌形態(例えば、細胞外ドメイン配列)、自然に生じる変異形態(例えば、選択的にスプライシングされた形態)及びそのポリペプチドの自然に生じる対立遺伝子変異体が含まれる。本発明のある実施態様では、ここに開示される天然配列TAHOポリペプチドは、添付図に示される完全長アミノ酸配列を含む成熟又は完全長天然配列ポリペプチドである。開始及び停止コドン(示されているならば)は、図において太字及び下線で示した。添付図に「N」で示した核酸残基は、任意の核酸残基である。しかし、添付図に開示したTAHOポリペプチドは、図面においてアミノ酸位置1としてここに表示されたメチオニン残基で始まるように示されているが、図面におけるアミノ酸位置1の上流又は下流に位置する他のメチオニン残基をTAHOポリペプチドの開始アミノ酸残基として用いることも考えられるし、可能でもある。] [0068] ここで「B細胞表面上マーカー」又は「B細胞表面上抗原」とは、B細胞の表面上に発現する抗原であり、それを結合するアンタゴニスト、例えば限定するものではないが、天然に生じるB細胞抗原へのリガンドの結合をアンタゴナイズすることができるB細胞表面抗原ないしB細胞表面抗原の可溶型に対する抗体の標的となることができるものである。例示的B細胞表面上マーカーには、CD10、CD19、CD20、CD21、CD22、CD23、CD24、CD37、CD40、CD53、CD72、CD73、CD74、CDw75、CDw76、CD77、CDw78、CD79a、CD79b、CD80、CD81、CD82、CD83、CDw84、CD85及びCD86白血球表面上マーカーが含まれる。(詳しくは、The Leukocyte Antigen Facts Book, 2nd Edition. 1997, Barclay等編集, Academic Press, Harcourt Brace & Co., New Yorkを参照)。他のB細胞表面上マーカーには、RP105、FcRH2、B細胞CR2、CCR6、P2X5、HLA-DOB、CXCR5、FCER2、BR3、BAFF、BLyS、Btig、NAG14、SLGC16270、FcRH1、IRTA2、ATWD578、FcRH3、IRTA1、FcRH6、BCMA、及び239287などがある。特に対象とするB細胞表面上マーカーは、哺乳動物の他の非B細胞組織と比較してB細胞上に主にに発現しており、B細胞前駆細胞及び成熟B細胞の両方の細胞上に発現していてもよい。] [0069] TAHOポリペプチド「細胞外ドメイン」又は「ECD」は、膜貫通及び細胞質ドメインを実質的に有しないTAHOポリペプチドの形態を意味する。通常、TAHOポリペプチドECDは、それらの膜貫通及び/又は細胞質ドメインを1%未満、好ましくはそのようなドメインを0.5%未満しか持たない。本発明のTAHOポリペプチドについて同定された任意の膜貫通ドメインは、疎水性ドメインのその型を同定するために当該分野において日常的に使用される基準に従い同定されることが理解されるであろう。膜貫通ドメインの厳密な境界は変わり得るが、最初に同定されたドメインの何れかの末端から約5アミノ酸を越えない可能性が高い。場合によっては、従って、TAHOポリペプチドの細胞外ドメインは、実施例又は明細書で同定されるように膜貫通ドメイン/細胞外ドメインの境界の何れかの側から約5を越えないアミノ酸を含んでもよく、シグナルペプチドを伴う又は伴わない、それらのポリペプチド及びそれらをコードする核酸は、本発明で考慮される。] [0070] ここに開示する種々のTAHOポリペプチドの「シグナルペプチド」のおおよその位置は、本明細書及び/又は添付図に示されうる。しかし、シグナルペプチドのC末端境界は変化しうるが、ここで最初に定義したようにシグナルペプチドC末端境界の何れかの側で約5アミノ酸未満である可能性が最も高く、シグナルペプチドのC末端境界は、そのような型のアミノ酸配列成分を同定するのに日常的に使用される基準に従って同定しうることに留意される(例えば、Nielsen等, Prot. Eng.10: 1-6 (1997)及びvon Heinje等, Nucl. Acids. Res. 14: 4683-4690 (1986))。更に、幾つかの場合には、分泌ポリペプチドからのシグナル配列の切断は完全に均一ではなく、一つ以上の分泌種をもたらすことも認められる。シグナルペプチドがここに同定されるシグナルペプチドのC末端境界の何れかの側の約5アミノ酸未満内で切断されるこれらの成熟ポリペプチド、及びそれらをコードするポリヌクレオチドは、本発明で考慮される。 「TAHOポリペプチド変異体」とはTAHOポリペプチド、好ましくは、ここに開示するような完全長天然配列TAHOポリペプチド配列、ここで開示するようなシグナルペプチドを欠くTAHOポリペプチド配列、ここに開示するようなシグナルペプチドを有する又は有しないTAHOポリペプチドの細胞外ドメイン又はここに開示する完全長TAHOポリペプチド配列の任意の他の断片(例えば、完全長TAHOポリペプチドの完全なコード配列の一部のみを示す核酸によってコードされるもの)と少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有するここで定義するような活性なTAHOポリペプチドを意味する。このようなTAHOポリペプチド変異体には、例えば、完全長天然アミノ酸配列のN末端又はC末端において一又は複数のアミノ酸残基が付加、もしくは欠失されたTAHOポリペプチドが含まれる。通常、TAHOポリペプチド変異体は、ここに開示する完全長天然配列TAHOポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペプチドを欠くTAHOポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示するTAHOポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示する完全長TAHOポリペプチド配列の任意の具体的に定義した他の断片に対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有している。通常、TAHO変異体ポリペプチドは、少なくとも約10アミノ酸長、あるいは少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600アミノ酸長、又はそれ以上である。場合によっては、TAHO変異体ポリペプチドは、天然TAHOポリペプチド配列に比較して一つ以下の保存的アミノ酸置換、あるいは天然TAHOポリペプチド配列に比較して2、3、4、5、6、7、8、9、又は10以下の同類アミノ酸置換を有するにすぎない。] [0071] ここで同定したTAHOポリペプチド配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」とは、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした後の、特定のTAHOポリペプチド配列のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の完全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN-2プログラム用の完全なソースコードが下記の表1に提供されている配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用することによって得られる。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテック社によって作成され、下記の表1に示したソースコードは米国著作権庁,ワシントンD.C., 20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087で登録されている。ALIGN-2プログラムはジェネンテック社、サウスサンフランシスコ,カリフォルニアから公的に入手可能であり、下記の表1に提供されたソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN-2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標)V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。 アミノ酸配列比較にALIGN-2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bへの、それとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bへの、それとの、又はそれに対する或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される: 分率X/Yの100倍 ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2のA及びBのプログラムアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なると認識されるであろう。%アミノ酸配列同一性の計算の例として、表2及び3は、「比較タンパク質」と称されるアミノ酸配列の「TAHO」と称されるアミノ酸配列に対する%アミノ酸配列同一性の計算方法を示し、ここで「TAHO」は対象の仮想TAHOポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「比較タンパク質」は対象の「TAHO」ポリペプチドと比較され、これに対するポリペプチドのアミノ酸配列を表し、「X」、「Y」及び「Z」は、それぞれ異なる仮定アミノ酸残基を表す。特に断らない限りは、ここで使用される全ての%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN-2コンピュータプログラムを用いて直ぐ上の段落に記載されるようにして得られる。] [0072] 「TAHO変異体ポリヌクレオチド」又は「TAHO変異体核酸配列」とは、ここで定義されるように、TAHOポリペプチド、好ましくは活性TAHOポリペプチドをコードし、ここに開示する完全長天然配列TAHOポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペプチドを欠いた完全長天然配列TAHOポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示するTAHOポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示する完全長TAHOポリペプチド配列の他の任意の断片をコードする核酸配列(完全長TAHOポリペプチドの完全なコード化配列の一部分のみを表す核酸によってコードされた)と、少なくとも約80%の核酸配列同一性を有する核酸分子を意味する。通常、TAHO変異体ポリヌクレオチドは、ここに開示する完全長天然配列TAHOポリペプチド配列、ここに開示するシグナルペプチドを欠く完全長天然配列TAHOポリペプチド配列、シグナルペプチドを有する又は有しないここに開示するTAHOポリペプチドの細胞外ドメイン、又はここに開示する完全長TAHOポリペプチド配列の任意の他の断片をコードする核酸配列と、少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の核酸配列同一性を有している。変異体は、天然ヌクレオチド配列を含まない。 通常、TAHO変異体ポリヌクレオチドは、少なくとも約5ヌクレオチド長、あるいは少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、又は1000ヌクレオチド長であり、この文脈の「約」という用語は、表示ヌクレオチド配列長にその表示長の10%を加えるか又は減じたものを意味する。] [0073] ここで同定されるTAHOコード化核酸配列に対する「パーセント(%)核酸配列同一性」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、対象のTAHO核酸配列のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセントとして定義される。パーセント核酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは、当業者の知る範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。ここでの目的のためには、%核酸配列同一性値は、ALIGN-2プログラム用の完全なソースコードが下記の表1に提供されている配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用することによって得られる。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテック社によって作成され、下記の表1に示したソースコードは米国著作権庁,ワシントンD.C.,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN-2プログラムはジェネンテック社、サウスサンフランシスコ,カリフォルニアから公的に入手可能であり、下記の表1に提供されたソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN-2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーティングシステム、好ましくはデジタルUNIX(登録商標)V4.0Dでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。 核酸配列比較にALIGN-2が用いられる状況では、与えられた核酸配列Cの、与えられた核酸配列Dとの、又はそれに対する%核酸配列同一性(あるいは、与えられた核酸配列Dと、又はそれに対して或る程度の%核酸配列同一性を持つ又は含む与えられた核酸配列Cと言うこともできる)は次のように計算される: 分率W/Zの100倍 ここで、Wは配列アラインメントプログラムALIGN-2のC及びDのアラインメントによって同一であると一致したスコアのヌクレオチドの数であり、ZはDの全ヌクレオチド数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと異なる場合、CのDに対する%核酸配列同一性は、DのCに対する%核酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。%核酸配列同一性の計算の例として、「TAHO-DNA」が対象となる仮説的TAHOコード化核酸配列を表し、「比較DNA」が対象となる「TAHO-DNA」核酸分子が比較されている核酸配列を表し、そして「N」、「L」及び「V」の各々が異なった仮想ヌクレオチドを表していて、表4及び5が「比較DNA」と称される核酸配列の「TAHO-DNA」と称される核酸配列に対する%核酸配列同一性の計算方法を示す。特に断らない限りは、ここでの全ての%核酸配列同一性値は、直ぐ上のパラグラフに示したようにALIGN-2コンピュータプログラムを用いて得られる。] [0074] 他の実施態様では、TAHO変異体ポリヌクレオチドとは、TAHOポリペプチドをコードする核酸分子であり、好ましくはストリンジェントなハイブリダイゼーション及び洗浄条件下で、ここに記載の完全長TAHOポリペプチドをコードするヌクレオチド配列とハイブリダイゼーションすることができる。TAHO変異体ポリペプチドは、TAHO変異体ポリヌクレオチドによってコードされているものであり得る。 TAHOポリペプチドをコードする核酸に関して使用される場合の「完全長コード領域」という用語は、(添付図において開始及び停止コドンの間でしばしば示される)本発明の完全長TAHOポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を意味する。ATCC寄託核酸に関して使用される場合の「完全長コード領域」という用語は、ATCCに寄託されたベクター中に挿入されているcDNAのTAHOポリペプチドコード部分を意味する(添付図において開始及び停止コドンの間にしばしば示される。(開始コドンと停止コドンを太字及び下線で示す))。] [0075] ここに開示される種々のTAHOポリペプチドを記載するために使用される「単離」とは、自然環境の成分から同定され及び分離及び/又は回収されたポリペプチドを意味する。その自然環境の汚染成分とは、そのポリペプチドの診断又は治療への使用を典型的には妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様では、ポリペプチドは、(1)スピニングカップシークエネーターを使用することにより、少なくとも15残基のN末端あるいは内部アミノ酸配列を得るのに充分なほど、あるいは、(2)クーマシーブルーあるいは好ましくは銀染色を用いた非還元あるいは還元条件下でSDS-PAGEにより均一になるまで精製される。単離されたポリペプチドには、TAHOポリペプチドの自然環境の少なくとも一つの成分が存在しないため、組換え細胞内のインサイツのポリペプチドが含まれる。しかしながら、通常は、単離されたポリペプチドは少なくとも一つの精製工程により調製される。 「単離された」TAHOポリペプチドをコードする核酸又は他のポリペプチドコード化核酸は、同定され、ポリペプチドをコードする核酸の天然源に通常付随している少なくとも一つの汚染核酸分子から分離された核酸分子である。単離されたポリペプチドをコードする核酸分子は、天然に見出される形態あるいは設定以外のものである。故に、単離されたポリペプチドをコードする核酸分子は、天然の細胞中に存在する特異的なポリペプチドをコードする核酸分子とは区別される。しかし、ポリペプチドをコードする単離された核酸分子には、例えば、核酸分子が天然細胞のものとは異なった染色体位置にあるポリペプチドを通常は発現する細胞に含まれるポリペプチドをコードする核酸分子が含まれる。] [0076] 「コントロール配列」という用語は、特定の宿主生物において作用可能に結合したコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。例えば原核生物に好適なコントロール配列は、プロモーター、場合によってはオペレータ配列と、リボソーム結合部位を含む。真核生物の細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル及びエンハンサーを利用することが知られている。 核酸は、他の核酸配列と機能的な関係にあるときに「作用可能に結合し」ている。例えば、プレ配列あるいは分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの分泌に参画するプレタンパク質として発現されているなら、そのポリペプチドのDNAに作用可能に結合している;プロモーター又はエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼすならば、コード配列に作用可能に結合している;又はリボソーム結合部位は、もしそれが翻訳を容易にするような位置にあるなら、コード配列と作用可能に結合している。一般的に、「作用可能に結合している」とは、結合したDNA配列が近接しており、分泌リーダーの場合には近接していて読みフェーズにあることを意味する。しかし、エンハンサーは必ずしも近接している必要はない。結合は簡便な制限部位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合は、従来の手法に従って、合成オリゴヌクレオチドアダプターあるいはリンカーが使用される。] [0077] ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者によって容易に決定され、一般的にプローブ長、洗浄温度、及び塩濃度に依存する経験的な計算である。一般に、プローブが長くなると適切なアニーリングに必要な温度が高くなり、プローブが短くなるとそれに必要な温度は低くなる。ハイブリダイゼーションは、一般的に、相補鎖がその融点より低い環境に存在する場合に、変性DNAの再アニールする能力に依存する。プローブとハイブリダイゼーション配列の間で所望される相同性の程度が高くなればなるほど、用いることができる相対温度が高くなる。その結果、より高い相対温度は、反応条件をよりストリンジェントにすることになり、低い温度はストリンジェントを低下させることになる。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーの更なる詳細及び説明については、Ausubel等, Current Protocols in Molecular Biology(Wiley Interscience Publishers, 1995)を参照のこと。 ここで定義される「ストリンジェント条件」又は「高度のストリンジェンシー条件」は、(1)洗浄に低イオン強度及び高温度を用いる、例えば、50℃で、0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウム;(2)ハイブリダイゼーション中にホルムアミド等の変性剤を用いる、例えば、42℃で、50%(v/v)ホルムアミドと0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%フィコール/0.1%のポリビニルピロリドン/50mMのpH6.5のリン酸ナトリウムバッファー、及び750mMの塩化ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウム;又は(3)42℃で、50%ホルムアミド、5×SSC(0.75MのNaCl、0.075Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5×デンハード液、超音波処理サケ精子DNA(50μg/ml)、0.1%SDS、及び10%の硫酸デキストラン溶液中で終夜ハイブリダイゼーション、42℃で、0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)中にて10分間の洗浄、ついで55℃で、EDTAを含む0.1×SSCからなる10分間高ストリンジェンシー洗浄を用いるものによって同定される。 「中程度のストリンジェント条件」は、Sambrook等, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (New York: Cold Spring Harbor Press, 1989)に記載されているように同定され、上記のストリンジェントより低い洗浄溶液及びハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオン強度及び%SDS)の使用を含む。中程度のストリンジェント条件は、20%ホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハード液、10%硫酸デキストラン、及び20mg/mlの変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中にて37℃での終夜インキュベーション、次いで1×SSC中にて約37−50℃でのフィルターの洗浄といった条件である。当業者であれば、プローブ長などの因子に適合させる必要に応じて、どのようにして温度、イオン強度等を調節するかを認識する。] [0078] 「エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチド」と融合したTAHOポリペプチド又は抗TAHO抗体を含んでなるキメラポリペプチドを意味する。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピトープを提供するのに十分な残基を有し、その長さは融合するポリペプチドの活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好ましくは抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約8〜50のアミノ酸残基(好ましくは、約10〜20の残基)を有する。 ここでの目的に対する「活性な」又は「活性」とは、天然又は天然に生じるTAHOの生物学的及び/又は免疫学的活性を保持するTAHOポリペプチドの形態を意味し、その中で、「生物学的」活性とは、天然又は天然発生TAHOが保持する抗原性エピトープに対する抗体の生成を誘発する能力以外の、天然又は天然発生TAHOによって引き起こされる生物機能(阻害又は刺激)を意味し、「免疫学的」活性とは、天然又は天然発生TAHOが保持する抗原性エピトープに対する抗体の生成を誘発する能力を意味する。] [0079] 「アンタゴニスト」なる用語は最も広い意味で用いられ、そしてここに開示した天然TAHOポリペプチドの生物学的活性を部分的又は完全にブロック、阻害、又は中和する任意の分子が含まれる。同じように、「アゴニスト」という用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然TAHOポリペプチドの生物学的活性を模倣する任意の分子が含まれる。適切なアゴニスト又はアンタゴニスト分子には、特にアゴニスト又はアンタゴニスト抗体又は抗体断片、断片、又は天然TAHOポリペプチドのアミノ酸配列変異体、ペプチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、小有機分子等が含まれる。TAHOポリペプチドのアゴニスト又はアンタゴニストを同定する方法は、TAHOポリペプチドと候補アゴニスト又はアンタゴニスト分子を接触させ、そして通常はTAHOポリペプチドに関連している一又は複数の生物学的活性の検出可能な変化を測定することが含まれ得る。] [0080] 「精製」とは、分子が少なくとも95重量%又は含有される試料の少なくとも98重量%の濃度で試料中に存在することを意味する。 「単離された」核酸分子は、例えば天然の環境に通常付随している少なくとも一の他の核酸分子から分離された核酸分子である。さらに、単離された核酸分子は、核酸分子を通常発現するが、その核酸分子がその天然の染色体位置と異なる染色体位置にあるか又は染色体外に存在する、細胞に含まれる核酸分子を含む。] [0081] ここで使用される「ベクター」という用語は、それが結合している他の核酸を輸送することのできる核酸分子を意味するものである。一つのタイプのベクターは「プラスミド」であり、これは付加的なDNAセグメントが結合されうる円形の二本鎖DNAループを意味する。他の型のベクターはファージベクターである。他の型のベクターはウイルスベクターであり、付加的なDNAセグメントをウイルスゲノムへ結合させうる。所定のベクターは、それらが導入される宿主細胞内において自己複製することができる(例えば、細菌の複製開始点を有する細菌ベクターとエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞への導入時に宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、宿主ゲノムと共に複製する。更に、所定のベクターは、それらが作用可能に結合している遺伝子の発現を指令し得る。このようなベクターはここでは「組換え発現ベクター」(又は単に「組み換えベクター」)と呼ぶ。一般に、組換えDNA技術で有用な発現ベクターはしばしばプラスミドの形をとる。本明細書では、プラスミドが最も広く使用されているベクターの形態であるので、「プラスミド」と「ベクター」を相互交換可能に使用する場合が多い。] [0082] 「治療する」又は「治療」又は「緩和」とは、治療上の処置及び予防的療法又は防護的療法の双方を称し、その目的は、標的である病的症状又は疾患を防ぐか又は衰え(小さく)させることである。治療を必要とするものには、疾患に罹りやすいものと同時に疾患に既に罹っているもの、又は疾患が予防されるべきものを含む。本発明の方法に従って抗TAHO抗体、TAHO結合オリゴペプチド又はTAHO結合有機分子の治療量を投与された後に、患者が次の一又は複数のものについて観察可能な及び/又は測定可能な減少又は消失を示したならば、被検体又は哺乳動物は、TAHOポリペプチド発現癌に関して成功裏に「治療された」ことになる:癌細胞の数の減少、又は癌細胞の消失;腫瘍の大きさの減少;軟部組織及び骨への癌の広がりを含む、末梢器官への癌細胞の浸潤の阻害(すなわち、ある程度の減速及び好ましくは停止);腫瘍転移の阻害(すなわち、ある程度の減速及び好ましくは停止);腫瘍成長のある程度の阻害;及び/又は特定の癌に関連している一又は複数の症状のある程度の緩和;疾病率及び死亡率の減少、及び生命問題の質の改善。ある程度、抗TAHO抗体又はTAHO結合オリゴペプチドは、生存癌細胞の成長を防ぐ及び/又は死滅させることができ、それは、細胞増殖抑制及び/又は細胞障害性であり得る。これらの兆候又は症状の低減は、また、患者が感じることができる。] [0083] 疾患における成功裏の治療及び改善を評価することに関する上記のパラメーターは、医師にとってよく知られている日常的手法によって容易に測定が可能である。癌治療では、有効性は、例えば、病気の進行までの時間(TTP)の算定及び/又は反応速度(RR)を確かめることによって測定できる。転移は、ステージング試験によって、骨のスキャン及び骨への広がりを確かめるためのカルシウムレベル及び他の酵素に関する試験によって確かめることができる。CTスキャンは、また、領域の骨盤及びリンパ節への広がりを探索することで行うことができる。胸のX線、及び既知の方法による肝臓の酵素レベルの測定を、それぞれ肺及び肝臓への転移を探索するために用いる。疾患をモニタリングする他の常套的方法には、経直腸的超音波断層法(TRUS)及び経直腸的針生検(TRNB)が含まれる。 より局所的な癌である膀胱癌に関しては、疾患の進行を確かめる方法には、膀胱鏡検査による尿細胞評価、尿中に存在する血液のモニタリング、超音波断層撮影又は静脈性腎盂像、コンピュータ断層撮影法(CT)及び磁気共鳴映像法(MRI)による尿路上皮性路の視覚化が含まれる。遠隔転移の存在は、腹部のCT、胸x線、又は骨格の放射性核種イメージングによって評価することができる。] [0084] 「慢性」投与とは、初期の治療効果(活性)を長期間にわたって維持するようにするために、急性態様とは異なり連続的な態様での薬剤の投与を意味する。「間欠」投与とは、中断無く連続的になされるのではなく、むしろ本質的に周期的になされる処理である。 「個体」は脊椎動物である。ある実施態様では、脊椎動物は哺乳動物である。哺乳動物には、限定するものではないが、家畜動物(ウシなど)、スポーツ用動物、愛玩動物(ネコ、イヌ及びウマ)、霊長類、マウス及びラットが含まれる。ある実施態様では、哺乳動物はヒトである。 癌の治療、症状の緩和又は診断のための「哺乳動物」とは、哺乳動物に分類される任意の動物を意味し、ヒト、家畜用及び農場用動物、動物園、スポーツ、又はペット動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウサギなどを含む。好ましくは、哺乳動物はヒトである。 一又は複数の更なる治療薬と「組み合わせた」投与とは、同時(同時期)及び任意の順序での連続した投与を含む。] [0085] ここで用いられる「担体」は、製薬的に許容されうる担体、賦形剤、又は安定化剤を含み、用いられる服用量及び濃度でそれらに曝露される細胞又は哺乳動物に対して非毒性である。生理学的に許容されうる担体は、水性pH緩衝溶液であることが多い。生理学的に許容されうる担体の例は、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸塩のバッファー;アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;疎水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリジン;グルコース、マンノース又はデキストランを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;マンニトール又はソルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の塩形成対イオン;及び/又は非イオン性界面活性剤、例えば、TWEEN(登録商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(登録商標)を含む。 「固相」又は「固体支持体」とは、本発明の抗体、TAHO結合オリゴペプチド又はTAHO結合有機分子が接着できる非水性マトリクスを意味する。ここに包含される固相の例は、部分的又は全体的にガラス(例えば、径の調整されたガラス)、ポリサッカリド(例えばアガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール及びシリコーンで形成されたものを含む。或る実施態様では、前後関係に応じて、固相はアッセイ用プレートのウェル;その他では精製用カラム(例えばアフィニティクロマトグラフィーカラム)を含むことができる。また、この用語は、米国特許第4275149号に記載されたような別々の粒子の不連続な固相も含む。 「リポソーム」は、哺乳動物への薬物(例えばTAHOポリペプチド、それらに対する抗体又はTAHO結合オリゴペプチド)輸送に有用な、脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤を含む種々のタイプの小胞体である。リポソームの成分は、通常は細胞膜の脂質配向に類似した2層構造に配列される。] [0086] ここで定義されている「小」分子又は「小」有機分子とは、約500ダルトン未満の分子量である。 「薬学的製剤」なる用語は、活性成分の生物学的活性が有効となるような形態であり、製剤が投与される被検体に対して許容できない毒性がある付加的化合物を含まない調製物を指す。このような製剤は無菌でもよい。 「無菌の」製剤はすべての生きている微生物及びそれらの胞子を含まないで無菌である。] [0087] ここに開示するポリペプチド、抗体、TAHO結合オリゴペプチド、TAHO結合有機分子、又はそのアゴニスト又はアンタゴニストの「有効量」とは、特に述べた目的を実施するために十分な量のことである。「有効量」は、述べられた目的に関連して、経験的及び常套的な形で決定することができる。] [0088] 「治療的有効量」という用語は、患者又は哺乳動物の疾患又は疾病を「治療」するのに効果的な抗体、ポリペプチド、TAHO結合オリゴペプチド、TAHO結合有機分子又は他の薬剤の量を指す。癌の場合、治療的に有効量の薬は癌細胞の数を減じ;腫瘍の大きさを減じ;末梢器官への癌細胞の浸潤を阻害(すなわち、ある程度まで減速、好ましくは停止)し;腫瘍転移を阻害(すなわち、ある程度まで減速及び好ましくは停止)し;腫瘍成長をある程度まで阻害し;及び/又は癌に関連する一又は複数の症状をある程度まで緩和する。「治療する」のここでの定義を参照せよ。薬が存在する癌細胞の成長を妨げ及び/又は死滅させる程度まで、それは、細胞分裂停止及び/又は細胞障害性であり得る。 抗TAHO抗体、TAHOポリペプチド、TAHO結合オリゴペプチド又はTAHO結合有機分子の「成長阻害量」は、細胞、特に腫瘍、例えば癌細胞の成長をインビトロ又はインビボで阻害できる量である。腫瘍性細胞成長の阻害の目的のための抗TAHO抗体、TAHOポリペプチド、TAHO結合オリゴペプチド又はTAHO結合有機分子の「成長阻害量」は、経験的及び常套的な形で決定することができる。] [0089] 抗TAHO抗体、TAHOポリペプチド、TAHO結合オリゴペプチド又はTAHO結合有機分子の「細胞障害性量」は、細胞、特に腫瘍、例えば癌細胞をインビトロ又はインビボで破壊できる量である。腫瘍性細胞成長の阻害の目的のための抗TAHO抗体、TAHOポリペプチド、TAHO結合オリゴペプチド又はTAHO結合有機分子の「細胞障害性量」は、経験的及び常套的な形で決定することができる。 「抗体」という用語は最も広い意味において使用され、例えば、単一の抗TAHOモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、及び中和抗体を含む)、多エピトープ(polyepitopic)特異性を持つ抗TAHO抗体組成物、ポリクローナル抗体、一本鎖抗TAHO抗体、及び所望する生物学的又は免疫学的活性を示す限りは抗TAHO抗体の断片(下記を参照)を包含する。「免疫グロブリン」(Ig)という用語は、ここでの抗体と相互に置き換え可能に用いられる。] [0090] 「SN8」なる用語は、Biomeda (FosterCity, CA)、 BDbioscience (San Diego, CA) 又はAncell (Bayport, MN)などから商業的な供与源から購入した抗ヒトCD79b(TAHO5)モノクローナル抗体、Roswell Park Cancer Institute (Okazaki 等, Blood, 81(1): 84-95 (1993))から入手したハイブリドーマから得られるモノクローナル抗体又はRoswell Park Cancer Institute (Okazaki 等, Blood, 81(1): 84-95 (1993))から入手したハイブリドーマから得られる抗体を用いて生成したキメラ抗体(「chSN8」とも呼ぶ)を指すためにここで使用される。 「10D10」なる用語は、2006年7月11日にATCCにPTA−7715の抗カニクイザルCD79b(TAHO40)10D10(10D10.3)として寄託されたハイブリドーマから生成した抗カニクイザルCD79b(TAHO40)モノクローナル抗体又はATCCにPTA−7715の抗カニクイザルCD79b(TAHO40)10D10(10D10.3)として寄託されたハイブリドーマから生成したキメラ抗体(ここで、「ch10D10」とも呼ばれる)を指すために使用される。 抗体を指す際に使用される「ch」はキメラ抗体を特異的に指すために使用される。 「抗カニクイザルCD79b」又は「抗cynoCD79b」はカニクイザルCD79b(図8の配列番号:8)に結合する抗体を示すためにここで使用される(2006年8月3日に出願された米国出願第11/462336号に以前に記載される)。「抗カニクイザルCD79b(ch10D10)」又は「抗cynoCD79b(TAHO40)(ch10D10))」又は「ch10D10」はカニクイザルCD79b(図43の配列番号:239)に結合するキメラ抗カニクイザルCD79b抗体を示すためにここで使用される(2006年8月3日に出願された米国出願第11/462336号に以前に記載される)。抗カニクイザルCD79b(ch10D10)又はch10D10は、配列番号41(図21)の軽鎖を含むキメラ抗カニクイザルCD79b抗体である。抗カニクイザルCD79b(ch10D10)又はch10D10は、配列番号43(図23)の重鎖を更に含むキメラ抗カニクイザルCD79b抗体である。] 図21 図23 図8
权利要求: 請求項1 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするDNA分子;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするDNA分子であって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸を有するポリペプチドの細胞外ドメインをコードするDNA分子であって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸を有するポリペプチドの細胞外ドメインをコードするDNA分子であって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列;(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域;又は(g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)の相補鎖に対し、少なくとも80%の核酸配列同一性を持つヌクレオチド配列を有する、単離された核酸。 請求項2 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列であって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸を有するポリペプチドの細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列であって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸を有するポリペプチドの細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列であって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列;(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域;又は(g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)の相補鎖を有する単離された核酸。 請求項3 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードする核酸;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードする核酸であって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸を有するポリペプチドの細胞外ドメインをコードする核酸であって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸を有するポリペプチドの細胞外ドメインをコードする核酸であって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの、(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列;(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域;又は(g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)の相補鎖にハイブリダイズする、単離された核酸。 請求項4 ストリンジェント条件下でハイブリダイゼーションが起こる、請求項3に記載の核酸。 請求項5 少なくとも約5ヌクレオチド長である、請求項3に記載の核酸。 請求項6 請求項1、2又は3の核酸を含む発現ベクター。 請求項7 前記核酸が、ベクターで形質転換した宿主細胞によって認識されるコントロール配列に対して作用可能に連結している、請求項6に記載の発現ベクター。 請求項8 請求項7に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。 請求項9 CHO細胞、大腸菌又は酵母細胞である、請求項8に記載の宿主細胞。 請求項10 ポリペプチドの生産方法において、前記ポリペプチドの発現に適した条件下で請求項8に記載の宿主細胞を培養し、細胞培養物から前記ポリペプチドを回収する方法。 請求項11 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの、;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるポリペプチドに対し、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を持つ、単離されたポリペプチド。 請求項12 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるアミノ酸配列を有する単離されたポリペプチド。 請求項13 異種ポリペプチドに融合した請求項11又は12に記載のポリペプチドを含むキメラポリペプチド。 請求項14 前記異種ポリペプチドが、免疫グロブリンのエピトープタグ配列又はFc領域である、請求項13に記載のキメラポリペプチド。 請求項15 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるポリペプチドに対し、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を持つポリペプチドに結合する、単離された抗体。 請求項16 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチドに結合する、単離された抗体。 請求項17 モノクローナル抗体である、請求項15、16、334から338又は339から347に記載の抗体。 請求項18 抗体断片である、請求項15、16、334から338又は339から347に記載の抗体。 請求項19 キメラ抗体又はヒト化抗体である、請求項15、16、334から338又は339から347に記載の抗体。 請求項20 増殖抑制剤にコンジュゲートする、請求項15、16、334から338又は339から347に記載の抗体。 請求項21 細胞傷害剤にコンジュゲートする、請求項15、16、334から338又は339から347に記載の抗体。 請求項22 細胞傷害剤が、毒素、抗体、放射性同位元素及び核溶解性酵素からなる群より選択される、請求項21に記載の抗体。 請求項23 細胞傷害剤が毒素である、請求項21に記載の抗体。 請求項24 毒素が、メイタンシノイド、ドラスタチン誘導体及びカリケアマイシンからなる群より選択される、請求項23に記載の抗体。 請求項25 毒素がメイタンシノイドである、請求項23に記載の抗体。 請求項26 細菌中で生産される、請求項15、16、334から338又は339から347に記載の抗体。 請求項27 CHO細胞中で生産される、請求項15、16、334から338又は339から347に記載の抗体。 請求項28 結合する細胞に死滅を誘発する、請求項15、16、334から338又は339から347に記載の抗体。 請求項29 検出可能に標識される、請求項15、16、334から338又は339から347に記載の抗体。 請求項30 請求項15、16、334から338又は339から347に記載の抗体をコードするヌクレオチド配列を有する、単離された核酸。 請求項31 ベクターで形質転換された宿主細胞によって認識されるコントロール配列に作用可能に連結している、請求項30に記載の核酸を含む発現ベクター。 請求項32 請求項31に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。 請求項33 CHO細胞、大腸菌又は酵母細胞である、請求項32に記載の宿主細胞。 請求項34 請求項32に記載の宿主細胞を、前記抗体の発現に適した条件下で培養し、細胞培養物から前記抗体を回収する、抗体生産方法。 請求項35 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるポリペプチドに対し、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドに結合する、単離されたオリゴペプチド。 請求項36 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチドに結合する、単離されたオリゴペプチド。 請求項37 増殖抑制剤にコンジュゲートする、請求項35又は36に記載のオリゴペプチド。 請求項38 細胞傷害剤にコンジュゲートする、請求項35又は36に記載のオリゴペプチド。 請求項39 細胞傷害剤が、毒素、抗体、放射性同位元素及び核溶解性酵素からなる群より選択される、請求項38に記載のオリゴペプチド。 請求項40 細胞傷害剤が毒素である、請求項38に記載のオリゴペプチド。 請求項41 毒素が、メイタンシノイド、ドラスタチン誘導体及びカリケアマイシンからなる群より選択される、請求項40に記載のオリゴペプチド。 請求項42 毒素がメイタンシノイドである、請求項40に記載のオリゴペプチド。 請求項43 結合する細胞に死滅を誘発する、請求項35又は36に記載のオリゴペプチド。 請求項44 検出可能に標識される、請求項35又は36に記載のオリゴペプチド。 請求項45 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるポリペプチドに対し、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドに結合するTAHO結合有機分子。 請求項46 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチドに結合する請求項45に記載の有機分子。 請求項47 増殖抑制剤にコンジュゲートする、請求項45又は46に記載の有機分子。 請求項48 細胞傷害剤にコンジュゲートする、請求項45又は46に記載の有機分子。 請求項49 細胞傷害剤が、毒素、抗体、放射性同位元素及び核溶解性酵素からなる群より選択される、請求項48に記載の有機分子。 請求項50 細胞傷害剤が毒素である、請求項48に記載の有機分子。 請求項51 毒素が、メイタンシノイド、ドラスタチン誘導体及びカリケアマイシンからなる群より選択される、請求項50に記載の有機分子。 請求項52 毒素がメイタンシノイドである、請求項50に記載の有機分子。 請求項53 結合する細胞に死滅を誘発する、請求項45又は46に記載の有機分子。 請求項54 検出可能に標識される、請求項45又は46に記載の有機分子。 請求項55 (a)請求項11に記載のポリペプチド;(b)請求項12に記載のポリペプチド;(c)請求項15に記載の抗体;(d)請求項16に記載の抗体;(e)請求項332に記載の抗体;(f)請求項333に記載の抗体;(g)請求項334に記載の抗体;(h)請求項335に記載の抗体;(i)請求項336に記載の抗体;(j)請求項35に記載のオリゴペプチド;(k)請求項36に記載のオリゴペプチド;(l)請求項45に記載のTAHO結合有機分子;又は(m)請求項46に記載のTAHO結合有機分子を担体と組み合わせて含む組成物。 請求項56 前記担体は製薬的に許容可能な担体である、請求項55に記載の組成物。 請求項57 (a)容器:及び(b)前記容器中に収容される請求項55に記載の組成物を含む生産品。 請求項58 前記組成物が癌の治療又は診断的検出に使用できることを記載した、前記容器に貼付されたラベル、又は前記容器内に含まれるパッケージ挿入物を更に含む、請求項57に記載の生産品。 請求項59 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるポリペプチドに対し、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するタンパク質を発現する細胞の、増殖を阻害する方法であって、前記細胞を、前記タンパク質に結合する抗体、オリゴペプチド又は有機分子に接触させ、前記抗体、オリゴペプチド又は有機分子の、前記タンパク質に対する結合により、前記細胞の増殖を阻害する方法。 請求項60 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項59に記載の方法。 請求項61 前記抗体が抗体断片である、請求項59に記載の方法。 請求項62 前記抗体がキメラ抗体又はヒト化抗体である、請求項59に記載の方法。 請求項63 前記抗体が配列番号11の核酸配列によってコードされる重鎖及び配列番号9の核酸配列によってコードされる軽鎖を含む単離された抗体である、請求項59に記載の方法。 請求項64 前記抗体が配列番号34の核酸配列によってコードされる重鎖及び配列番号32の核酸配列によってコードされる軽鎖を含む単離された抗体である、請求項59に記載の方法。 請求項65 前記抗体が配列番号42の核酸配列によってコードされる重鎖及び配列番号40の核酸配列によってコードされる軽鎖を含む単離された抗体である、請求項59に記載の方法。 請求項66 前記抗体が表24に記載の任意のATCC受託番号の下に寄託された単離された抗体である、請求項59に記載の方法。 請求項67 前記抗体が配列番号16及び配列番号17のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列に結合する、請求項59に記載の方法。 請求項68 前記細胞傷害剤が、毒素、抗体、放射性同位元素及び核溶解性酵素からなる群より選択される、請求項59に記載の方法。 請求項69 細胞傷害剤が毒素である、請求項59に記載の方法。 請求項70 毒素が、メイタンシノイド、ドラスタチン誘導体及びカリケアマイシンからなる群より選択される、請求項66に記載の方法。 請求項71 毒素がメイタンシノイドである、請求項60に記載の方法。 請求項72 前記抗体が細菌中で生産される、請求項59に記載の方法。 請求項73 前記抗体がCHO細胞中で生産される、請求項59に記載の方法。 請求項74 前記細胞が造血細胞である、請求項59に記載の方法。 請求項75 前記造血細胞が、リンパ球、白血球、血小板、赤血球及びナチュラルキラー細胞からなる群より選択される、請求項74に記載の方法。 請求項76 前記リンパ球がB細胞又はT細胞である、請求項75に記載の方法。 請求項77 前記リンパ球が癌細胞である、請求項75に記載の方法。 請求項78 前記癌細胞を、更に放射線治療又は化学療法剤に曝す、請求項77に記載の方法。 請求項79 前記癌細胞が、リンパ腫細胞、骨髄腫細胞及び白血病細胞かなる群より選択される、請求項77に記載の方法。 請求項80 前記タンパク質が、非造血細胞より造血細胞に多く発現する、請求項75に記載の方法。 請求項81 前記細胞の死滅を誘発する、請求項59に記載の方法。 請求項82 前記タンパク質が、(a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるアミノ酸配列を有する、請求項59に記載の方法。 請求項83 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるポリペプチドに対し、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するタンパク質を発現する細胞を含む癌性腫瘍を持つ哺乳動物の治療法であて、前記哺乳動物に対し、前記タンパク質に結合する抗体、オリゴペプチド又は有機分子の治療的有効量を投与することにより、前記哺乳動物を効果的に治療する方法。 請求項84 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項83に記載の方法。 請求項85 前記抗体が抗体断片である、請求項83に記載の方法。 請求項86 前記抗体がキメラ抗体又はヒト化抗体である、請求項83に記載の方法。 請求項87 前記抗体が配列番号11の核酸配列によってコードされる重鎖及び配列番号9の核酸配列によってコードされる軽鎖を含む単離された抗体である、請求項83に記載の方法。 請求項88 前記抗体が配列番号34の核酸配列によってコードされる重鎖及び配列番号32の核酸配列によってコードされる軽鎖を含む単離された抗体である、請求項83に記載の方法。 請求項89 前記抗体が配列番号42の核酸配列によってコードされる重鎖及び配列番号40の核酸配列によってコードされる軽鎖を含む単離された抗体である、請求項83に記載の方法。 請求項90 前記抗体が表24に記載の任意のATCC受託番号の下に寄託された単離された抗体である、請求項83に記載の方法。 請求項91 前記抗体が配列番号16及び配列番号17のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列に結合する、請求項83に記載の方法。 請求項92 前記細胞傷害剤が、毒素、抗体、放射性同位元素及び核溶解性酵素からなる群より選択される、請求項83に記載の方法。 請求項93 細胞傷害剤が毒素である、請求項83に記載の方法。 請求項94 毒素が、メイタンシノイド、ドラスタチン誘導体及びカリケアマイシンからなる群より選択される、請求項93に記載の方法。 請求項95 毒素がメイタンシノイドである、請求項93に記載の方法。 請求項96 前記抗体が細菌中で生産される、請求項83に記載の方法。 請求項97 前記抗体がCHO細胞中で生産される、請求項83に記載の方法。 請求項98 前記腫瘍を、更に放射線治療又は化学療法剤に曝す、請求項83に記載の方法。 請求項99 前記腫瘍が、リンパ腫、白血病、又は骨髄腫である、請求項83に記載の方法。 請求項100 前記タンパク質が、前記腫瘍の非造血細胞より造血細胞に多く発現する、請求項80に記載の方法。 請求項101 前記タンパク質が、前記腫瘍の正常造血細胞より前記腫瘍の癌性造血細胞に多く発現する、請求項100に記載の方法。 請求項102 前記タンパク質が、(a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチド細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチド細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群から選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるアミノ酸配列を有する、請求項83に記載の方法。 請求項103 タンパク質を有すると思われる試料中における前記タンパク質の存在を決定する方法であって、前記タンパク質が:(a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるポリペプチドに対して少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有し、前記タンパク質に結合する抗体、オリゴペプチド又は有機分子に前記試料を曝し、前記試料中の前記タンパク質に対する前記抗体、オリゴペプチド又は有機分子の結合を測定することを含み、前記タンパク質に前記抗体、オリゴペプチド又は有機分子が結合することにより、前記試料中における前記タンパク質の存在が示される方法。 請求項104 前記試料が、前記タンパク質を発現すると思われる細胞を含む、請求項103に記載の方法。 請求項105 前記細胞が癌細胞である、請求項103に記載の方法。 請求項106 前記抗体、オリゴペプチド又は有機分子を検出可能に標識する、請求項103に記載の方法。 請求項107 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項103に記載の方法。 請求項108 前記抗体が抗体断片である、請求項103に記載の方法。 請求項109 前記抗体がキメラ抗体又はヒト化抗体である、請求項103に記載の方法。 請求項110 前記抗体が配列番号11の核酸配列によってコードされる重鎖及び配列番号9の核酸配列によってコードされる軽鎖を含む単離された抗体である、請求項103に記載の方法。 請求項111 前記抗体が配列番号34の核酸配列によってコードされる重鎖及び配列番号32の核酸配列によってコードされる軽鎖を含む単離された抗体である、請求項103に記載の方法。 請求項112 前記抗体が配列番号40の核酸配列によってコードされる重鎖及び配列番号42の核酸配列によってコードされる軽鎖を含む単離された抗体である、請求項103に記載の方法。 請求項113 前記抗体が表24に記載の任意のATCC受託番号の下に寄託された単離された抗体である、請求項103に記載の方法。 請求項114 前記抗体が配列番号16及び配列番号17のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列に結合する、請求項103に記載の方法。 請求項115 前記抗体が細菌中で生産される、請求項103に記載の方法。 請求項116 前記抗体がCHO細胞中で生産される、請求項103に記載の方法。 請求項117 前記タンパク質が、前記腫瘍の非造血細胞より造血細胞に多く発現する、請求項103に記載の方法。 請求項118 前記タンパク質が、前記腫瘍の正常造血細胞より前記腫瘍の癌性造血細胞に多く発現する、請求項103に記載の方法。 請求項119 前記タンパク質が:(a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるポリペプチドの細胞外ドメインのアミノ酸配列であって、その関連するシグナルペプチド配列を欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるアミノ酸配列;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるアミノ酸配列を有する、請求項103に記載の方法。 請求項120 (a)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(c)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを伴うもの;(d)図2(配列番号2)、図4(配列番号4)、図6(配列番号6)及び図8(配列番号8)に示すアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの細胞外ドメインであって、その関連するシグナルペプチドを欠くもの;(e)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチド;又は(f)図1(配列番号1)、図3(配列番号3)、図5(配列番号5)及び図7(配列番号7)に示すヌクレオチド配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列の完全長コード領域によってコードされるポリペプチドに対し、少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するタンパク質の発現又は活性の増大に関連する増殖性傷害の治療又は予防法であって、そのような治療を要する患者に対し、前記タンパク質のアンタゴニストの有効量を投与することにより、前記細胞増殖性傷害を効果的に治療又は予防する方法。 請求項121 前記細胞増殖性傷害が癌である、請求項120に記載の方法。 請求項122 前記アンタゴニストが、抗TAHOポリペプチド抗体、TAHO結合オリゴペプチド、TAHO結合有機分子又はアンチセンスオリゴヌクレオチドである、請求項120に記載の方法。 請求項123 前記抗TAHOポリペプチド抗体が配列番号:11の核酸配列によってコードされる重鎖及び配列番号:9の核酸配列によってコードされる軽鎖を含む単離された抗体である、請求項120の方法。 請求項124 |